あにまる情報

[あにまる情報TOPへ]


以下の文章は「実用百科シリーズ インコの飼い方 上手な飼い方と殖やし方」/高木一嘉著/永岡書店刊を参照させていただいています。


今回は、インコを飼う前の予備知識です!

インコを飼う楽しさ
小鳥を飼っている人、これから飼おうとする方は何かしらの目的を持っていることと思います。この目的は一時のものではなく、かなりの年月を通じて求められるものであるため、長期に渡って快い喜びや楽しみ、慰安などを与えてくれるものでなければなりませんね。
単調になりがちな毎日の生活に、喜びのリズムを作ってくれるものと言い換えても良いでしょう。小鳥を長く飼っている愛好家、ファンシャーと言われる人々の楽しみとは、およそ次のようなものです。

羽色の美しさ
飼い鳥の多くは、美しい変化のある羽色を持っているものですが、とりわけインコ類はカラーも見本帳と同じほど、多彩な色を持っています。それも鮮やかな原色だけではなく、中間色の濃淡、地味な色と華麗な色との染め分けられるコントラストの妙味は、極めてユニークです。古くから画家の配色の材料や、絵画そのものになっている例は周知の通りです。
またインコの羽色には金粉をまぶしたような光沢を持つ独特のものもあり、これは他の鳥には見ることができません。飼い主はこれらの美しい羽色に満足感をおぼえます。
もうひとつの要素は、インコの鳥体は大型の禽舎やカゴに鳥を放った場合、目を楽しませるのにほど良い大きさに恵まれているからです。他の小鳥類は、例えば羽色の美しさではインコに劣らないほどのフィンチ(カエデチョウ科の小禽)にしても、あまりに小さいのでカゴに入れてみても。充分には目を楽しませてはくれません。

形態、動作の面白さ
インコ類の多くは、姿の優美なものが少なくありません。尾が長い種類は、特に優美に見えるものです。反対に尾が非常に短いボタンインコ類は、むしろ滑稽に見えて愛嬌があります。冠毛が大きく、中央が赤や黄で彩られたクルマサカオウムなども興味ある形態をしています。
動作の面白いこともインコ類の特徴です。ブンチョウやカナリアなどはピョンピョンと飛ぶように歩きますが、インコ類は人間に似て脚を交互に動かして歩くので、金網を這い上がったり輪をくぐったり、天井を逆さに這うこともできます。また雌雄の愛情表現がはっきりしていてペッティングをしたり、かゆい所を掻き合ったりします。こうした睦まじい様子は、思わず共感の情がわいてきます。

物真似の面白さ
キュウカンチョウと並んで、人の声や他の音色を真似るので、人気があります。音色はキュウカンチョウの方が良いのですが、インコ、オウム類は言葉の数や長さでは1枚上です。

巣引きの楽しさ=新しい羽色を作る
インコ類は環境に慣れ、適当な餌が充分に与えられていると、割と容易に巣作りを始めます。セキセイインコなどはジュウシマツ並に巣引きをよく行うので、インコ類の飼育入門と考えて良いでしょう。この巣引きには、生まれてくる雛の日々の成長具合から羽色の変化などが伴い、興味が尽きません。飼い鳥の楽しさの半分は巣引にあるといっても過言ではありません。ことにセキセイインコなどは羽色の変化が100以上もあるので、色々な羽色の雛鳥が生まれます。今度はどのような羽色の雛を産ませてみようかなどと、羽色による雄、雌の組み合わせを試みることもでき、ひとつの作出研究にもなります。新しい羽色や斑紋の試みも可能なわけで、これは学術的にも貢献できるものです。

犬のように慣れるインコ
インコが飼い鳥界で最も人気を保ってきたひとつの原因は、人に慣れやすい習性にあります。ブンチョウや他のフィンチ類は、成鳥で慣らすのは難しいのですが、インコでは半年も飼いこむと、じきに人の手から直接餌を食べたり、餌がなくなると大声で呼んで催促したりします。雛から育てると実によく慣れて、ちょうど犬のように飼い主の後を追い、飼い主を他の人から区別して親しく寄ってきたりもします。
ある種のインコは、他人が訪れると大声で家人に知らせるなど、あたかも番犬の役さえ演じます。

手乗りインコの流行=家庭のアイドルペット
最近の飼い鳥の流行は目ざましいものがありますが、中でも手乗り雛の需要は目ざましく、セキセイインコはその第1番目に上げられます。ブンチョウの雛鳥が灰色や灰白色の目立たない羽色をしているのに比べ、インコ類は緑や黄、ブルーなどの美しいカラーに彩られていることにもよります。また利口でよく慣れ、体質も丈夫なのに尾の短いボタンインコ類がいますが、これも盛んな需要です。雛から育てるのは文字通り、飼い主が餌を与えるだけではなく、始終鳥の体に触れ、寒い時には保温を、暑い時には涼しいところをと気を配ってやるので、インコの雛達はことさらよく慣れ親しみ、成鳥になってからも飼い主の側を離れないほどにもなります。
手乗りインコには前記の鳥種の他に輸入もののダルマインコ、コセイインコ、更に大型のボウシインコ、インドオウムなどがあり、その変化に富んだ美しい羽色と合わせて物真似など、私達の毎日の生活に多くの楽しみを与えてくれます。冬の寒さにも意外に抵抗力があり、最初の冬(輸入された鳥には)だけ暖房をしてやる必要がありますが、翌年からは室内であれば、暖房なしでも過ごします。これが国内で巣引きされたセキセイインコ、ボタンインコなどになると、室外の禽舎でも平気です。

インコとオウムの違い
インコもオウムも形は同じです。習性や食物も大体似ていますが、小型のものはスズメほどから、大きいものはキジほどもあります。脚は体に比べて短く、脚指は前と後に2本ずつ向いていて、物を握るのに便利にできています。食物は主に果実や葉芽、種子などです。
巣はハト類のように樹枝上に皿のような巣作りはせず、樹の穴、岩の隙間、アリ塚の中などです。
体の特徴はくちばしで、タカのように鋭く曲がり、中型や大型のものは非常に強大で、太い針金でも容易に曲げたりするので、金カゴも丈夫なものでないと、すぐ壊されてしまいます。舌はちょうどチョークのように丸く肉が厚く、物真似をする種類が少なくありません。インコのオウムも同じオウム目、オウム科の中に属していますが、白色を基にした冠毛を持っているグループがオウムです。鳥体が大型のものを指摘する人も見られますが、インコの中にもコンゴウインコのように大型のものも見られるので、これは適切とは言えません。鳥体の大きさには関係なく、緑や赤や黄の鮮やかな有色のものがインコで、白色を主として冠毛を持っているものをオウムと理解する方が良いでしょう。

インコ、オウムの原産地
小型や中型の羽色の美しい種類の多くは、オーストラリアに最も多く産し、大型種のほとんどが南アメリカに産します。この他には、東南アジアにも美麗種のいくつかが見られます。
インコの代表種はセキセイインコで、これは飼い鳥としての歴史が長く、半ば家禽化して色々な色変わりが作出され、現在は100種以上もの変種が見られます。セキセイインコの原産地もオーストラリアで、現在でもセキセイの野生種(緑色)が生存しています。またアフリカを原産とするボタンインコも新種が作出され、飼い鳥の代表種になっています。

[あにまる情報TOPへ]