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以下の文章は「実用百科シリーズ インコの飼い方 上手な飼い方と殖やし方」/高木一嘉著/永岡書店刊を参照させていただいています。
今回は、飼料の種類と食性です!
インコ類は、ほとんどが穀物種子を主食にしています。またヒインコは軟食といって、果実を主食にしているものもいます。鳥類によって食性はいくらか違いますが、飼い鳥として健康に飼育するためには、ある程度新しい餌に餌付けなければなりません。ただし野生の時の食性を充分に知っておいてから一般飼料に餌付けしなければ、健康で長く飼うことはできません。
インコ類の餌は一般には種子、葉芽、果実などですが、中には昆虫類を若干捕食しているものも見られます。特に雛を育てる時に昆虫を捕食しているものもいます。
昆虫を食するものに1匹1匹捕らえて与えるのは大変なことですし、果実・葉芽も常時与えるというわけにはいきません。そこである程度、人工飼料を与えます。人工飼料
昔から日本には虫食の小鳥に与えるスリ餌がありますが、変質しやすいうえに、小鳥はあまり喜んで食べない欠点もあります。大手の飼料会社では人工飼料の研究が盛んに行われ、栄養価、吸収率など大は草食獣のゾウからモルモットなどまで、ペレット状の人工飼料で良い物が市販されるようになりました。K社のM フッドなどはキュウカンチョウからメジロ、ソウシチョウ、オオハシなど広く使われています。かなり保存度もありますので、動物質を若干とっている鳥類には便利な飼料と言えます。これらの人工餌はダルマインコ、インドオウムやその他のうち、大型インコや幼鳥育雛餌として補助飼料に使います。主食と副食、その種類
【主食】
ヒエ、アワ、カナリーシード、麻の実、ヒマワリなどの穀物種子。
これらを主食にするもの、副食とするものなど種類によって違ってきますが、ほとんどの鳥類に主食として与えられます。
鳥体の大小にもよりますが、ヒマワリは中型から大型、大型鳥の重要な主食です。
セキセイインコはヒマワリは食べず、主食はヒエ、アワ、カナリーシードです。ヒエは脂肪が付きやすいので夏季にはアワの比率を上げ、反対にヒエは落とす方が良いのです。
【副食・保健飼料】
鳥体を完全に維持していくには脂肪、蛋白、糖質、各種のビタミンが必要です。次のものは副食といっても、欠かせないものです。
【葉菜】
コマツナが最も好まれます。
【果実】
ヒインコ類をはじめ大型、中大型鳥にはできるだけ与えます。
【スリ餌またはマイナーフード】
スリ餌もマイナーフードも水を若干加えて、軟弱にして与えます。
【ボレー粉】
カルシウムと塩分の補給に必要です。
【塩土】
ハトに使う塩土ですが、塩分と土の成分は鳥体には生理的に必要です。市販の配合餌
小鳥用飼料はセキセイ、ブンチョウ、ジュウシマツなど兼用で、配合は輸入ミレット50%、ヒエ30%、アワかキビ10%、カナリーシード10%です。ミレットが多いのは一番安価なためですが、これはどの鳥もあまり好みません。最も好むのはカナリーシードで次にヒエ、アワです。ですから餌はできるだけ自分で配合しましょう。冬と夏の餌の違い
寒冷期になると鳥体は脂肪を蓄積して、寒気に抵抗力を持つようになってきます。そこで次のように、夏と冬の餌の配合の変更を試みる必要があります。脂肪の多い餌とは麻の実、ヒマワリ、カナリーシード、ヒエ、アワの順です。
夏に脂肪の多い餌を多く与えると、たちまち脂肪過多になって2mほどしか飛べなくなったり、生殖不能や心臓障害から頓死したりします。
A食 主食
対象鳥種
ヒエ (冬季)
セキセイインコ アワ 20 (70) カナリーシード 70 (10) 10 (20) ―
―
100%
(100%)
保健飼料 葉菜(コマツナ)・塩土・ボレー粉
B食 夏季
冬季
ボタンインコ類・オカメインコ・ビセイインコ・ナナクサインコ等クサインコ類 ヒエ 40 30 アワ 20 10 カナリーシード 40 60 麻の実 発情時 常時 ヒマワリ 常時 常時 葉菜・塩土・ボレー粉
C食 ヒマワリ・麻の実 常時 ヒインコ類・オオホンセイインコ(インドオウム)・ゴシキセイガイ類・ショウジョウ・コムラサキ・ズグロ・オトメズグロ 果物(バナナ・ナシ・ブドウ・リンゴ) できるだけ毎日 キュウカンチョウ用飼料(水で柔らかくして数粒を毎日)・エビズルムシ・シロアリなど生餌少々・葉菜・塩土・ボレー粉
餌の標準分析表
(日本栄養士会編)ヒマワリ種子 麻の実 精白していない カナリーシード ヒエ アワ キビ カロリー
435 368 308 306 298 - 蛋白質 g 7.8 27.1 9.3 9.9 12.7 13.6 脂肪 g 21.0 25.6 4.2 3.5 3.5 4.9 炭水化物 糖質 g 52.3 7.3 61.9 63.7 57.4 (51.6) 繊維 g 4.7 20.3 8.3 7.0 9.1 灰分 g 2.8 6.1 3.3 2.9 3.8 2.1 カルシウム mg 140 120 33 21 20 -
ナトリウム mg -
- - 7 - - リン mg 920 970 330 240 270 - 鉄 mg 7.5 12.0 3.5 5.0 3.5 - ビタミン A I.U. 0 10 0 0 0 - カロチン I.U. 0 30 0 0 0 - B1 mg - 0.32 0.40 0.40 0.40 - B2 mg 0.07 0.17 0.10 0.10 0.10 - C mg 0 0 0 0 0 - ニコチン酸 mg 2.4 2.1 4.0 4.5 4.0 - ムキ餌とカラ付き餌
市販の餌はムキ餌とカラ付きえさの2通りあります。ムキ餌はカラが散らず散乱しないので掃除のわずらわしさはありませんが、気温の高い6月〜9月頃には水に濡れるとカビが生え、小鳥の下痢の原因を作ります。また鳥が自らむいて食べることで、くちばしの運動や使い方の習得にもなりますので、カラ付きを与えた方が自然と言えます。
しかし鳥が馴染めば健康上、冬季は問題がないので一般の家庭ではむしろ、ムキ餌を使っているところが多いようです。そこでカビが発生しやすい温度のところではカラ付き餌を使い、室温17℃前後ではムキ餌を使うなど使い分けをするのも良いでしょう。
両者の価格は、ムキ餌の方が1割ほど割高となっています。餌は20キロ袋で買った方が有利
餌は袋詰めでスーパーでも花屋でも売っていますが、この袋詰めの手数料が結構高くついています。
そこで専門の飼料店でアワ、ヒエなら20キロ、ヒマワリなら10キロ袋で買うと割安です。
飼料店は巣引きをしていると言えば、ほとんど卸値に近い価格で配達してくれるものです。
またその方が、自分のところで気に入った配合もできるわけです。