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以下の文章は「実用百科シリーズ インコの飼い方 上手な飼い方と殖やし方」/高木一嘉著/永岡書店刊を参照させていただいています。


今回は、毎日の飼育、管理です!

快適な環境
快い環境とは適当な太陽光線、温度、乾燥、通風などに加えて騒音や振動、犬、猫、ネズミなどの外敵からの防御ができるところが望まれます。
【太陽光線】
日光消毒という言葉があるように、日光は細菌類を死滅させる作用があり、更に生き物の健康保持上欠かせない紫外線を含んでいます。特に幼時には円全な発育を促す要素になるので、幼鳥からの発育期には窓辺やテラスなどで日光浴を試みたいものです。飼い犬の例では日光不足の幼犬はほとんどが、クル病にかかっていると言われています。しかし7〜9月頃の30℃を超える気温で、強烈な太陽光線を受けると、あらゆる生き物が日射病にかかる恐れがあります。そんな場合は、日陰の涼しいところを選んでやることです。11〜6月頃までは日当たり、半日陰と、場合に応じて選んでやるようにします。
【温度】
5〜6月の梅雨の湿気も、人間と同じように鳥に不快感を与えます。特にこの時期には高温多湿から、ダニ類など虫類の発生が多いので、ワクモの退治も心掛けましょう。そして少しでも日のある時は、日光を当ててカゴ内の乾燥をはかることです。
【通風】
暑い時には特に風通しが必要です。高い温度で風通しがないと、5平方メートルほどの室内禽舎では蒸れて息苦しくなり、室温が30℃を超える場合は、鳥達は翼を広げて喘いでいます。高温でも屋外の禽舎内に日よけがあれば、元気にしています。これは自然の風がそよいでいるからで、自然に換気が行われているのです。
【寒風】
夏の通風とは逆に寒い時の寒風は、南方生まれの鳥には暑気以上に害があります。寒いと鳥達は体の内部から熱が逃げるのを防ぐため、羽毛を立てて丁度、病気の鳥のように丸くなって見えます。冬のスズメが”フクラスズメ”と呼ばれるように丸くマリのようになっているのは、寒さから身を守っているのです。特に病気の鳥には寒風は禁物です。屋外禽舎などでは、冬の間はガラス戸を立てたり透明なビニールをかけたりして、寒気から守ってやることが大切です。

寒さへの順応性
鳥を飼う適温は17℃前後ですが、南方で育ったオウムやインコ類の中には、零下でも戸外で過ごすことが可能な鳥もいます。これは温度への順応性に優れているからで、上野の動物園の屋外禽舎でもダルマインコ、オカメインコなどが冬中、飼育されています。
ただし輸入したての鳥は、一冬を暖房なしに過ごすことは無理で、寒気による体調の変化についていけず食欲をなくしたり風邪、肺炎を併発して落鳥(鳥が死ぬこと)する例が多いのです。
よく一冬を越した鳥は長生きすると言いますが、これは体調が寒気にも順応するようになったことを示しているのです。寒さへの抵抗力は小型のインコよりも中型、大型ほど強いものです。

鳥カゴの置き場所
日光、温度、乾燥、通風または防風などの他に犬や猫、それにネズミや蛇などに襲われないような場所を選ばなければなりません。人の目が届くところでも猫や蛇の行動は素早く、気付いた時は既に手遅れということがほとんどですので、初めから外敵の手が届かない場所を選ぶ方が良いのです。カゴの置き場所は、一般の家庭では朝方は日当たり、通風のきく軒下に吊るし、夕方に取り込む方法があります。これは気候や日々の天候の変化に合わせられる点では良いのですが、巣引きを試みる点では失敗に終わります。何故なら巣引きのポイントは場所を安定させることにもあるからです。鳥は落ち着きを失うと抱卵を中止してしまいます。
鳥の羽毛や餌殻の散乱を防ぐガード付きのカゴで、居間や応接間に置くと良いでしょう。

餌と水の補給、交換
毎日の管理に欠かせないものは水替えです。冬では水に糞などが入らない限り3日は大丈夫ですが、夏は1日で変質します。朝と午後の2回ぐらいやるつもりで見てやりましょう。水入れは、水垢や汚れを綺麗にぬぐい落として与えます。
餌は餌箱の大きいものなら3日でも持ちますが、鳥の飼育は鳥を毎日見ることが目的ですから、減ったら補給するというふうに、とにかく毎日見ることです。ボレー粉や砂なども同じです。

飼育管理とは鳥を毎日見ること
小鳥を飼うこととは、小鳥を毎日見ることです。餌や水だけに注意するのではなく、鳥の健康状態に気を配るのです。体が引き締まって嬉々としていれば大丈夫です。羽を立てて丸くなり、目をしょぼつかせたり変調があれば、直ちに保温や投薬を行い、早いうちに病気を治すようにしてやるわけです。これが2〜3日に一度の餌水だけに重点を置いているようですが、手遅れになります。鳥を飼うことは、とにかく毎日見るということです。
それには次の点を注意して見ます。

  1. 鳥の様子を見ます。元気か元気でないか、怪我をしていないか。

  2. 糞を見ます。丸く固まっているか、下痢をしていないか。

  3. 餌が切れていないか、水は綺麗で充分入っているか。

  4. カゴが破損していないか(くちばしが強いので針金を曲げたり、はがしたりすることがあります)。

  5. ビニール紐などの危険物(首を絞める)の有無。

鳥飼いの経験を積んでいくと、これらの点が一目ですぐ見分けられるようになります。

逃がさないように注意する
餌や水、葉菜の補給の時に鳥を逃がすことがよくあります。補給は、一方の手で入口の空間をカバーして行います。また、入口は閉め忘れないことです。

鳥の掴み方
インコ類はくちばしが強いので噛まれるとかなり痛く、セキセイインコでも傷がつくことがあります。そこで親指と人差し指で鳥の顔を挟むようにして、残りの指で鳥体を保持します。カゴの中の鳥を捕える時はカゴの隅に鳥を追い込み、素早く後頭部に広げた人差し指と親指を被せるようにして、掌全体で鳥を押さえて捕えます。鳥を捕えるのも慣れることが肝心で、掴み慣れた人は猫の腕のように素早く叩きつけるように掌を出しますが、鳥体に触れた時は実に柔らかく、少しも鳥体を痛めることなく捕えるものです。中大型のインコは噛まれると怪我をしますので、手袋を着用するか小型の手綱を使用するのが良いでしょう。

鳥カゴから別のカゴへの移し方
別のカゴへ移すのにいちいち鳥を捕えなくても、入口を合わせて手や細い棒で鳥を追いやるようにカゴの目を叩くようにすると、大抵はそのまま新しいカゴへ入って行きます。この場合、暗い方から明るい方へ追いたてるようにします。

鳥の管理は飼い主が行う
鳥は人を覚えます。一家の中でも好き嫌いがあり、放し飼いにした子飼いの鳥では、最も好む人の所にばかり行きたがるものです。慣らして楽しもうとする時には、餌水の補給を他人に任せないで飼い主が自分で与えるようにすれば、慣れ親しむのも早くなるわけです。

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2005年12月2日更新