悪魔 -Devils- |
古代ユダヤ人の中には、 デーモンは大洪水で溺れた邪悪な巨人族の肉体から生まれ出たと信じる人々がいました。これらの巨人は、堕天使が人間の女性との間にもうけた子ども達です。デーモン達はその後地上界に際限なく災厄を振りまき続けました。神が彼等を創り出したのだとする聖職者達もいました。キリスト教徒は伝統的に、悪魔達は天国での戦争の時神に反旗を翻したサタンに従い、地獄に落とされた悪の天使達であると信じています。中世のキリスト教徒達は悪魔が愚かな存在であり、教会の鐘を恐れ、その命には限りがあり、望む形に姿を変えられるとしていました。天使と違って悪魔は繁殖することができるがその一生は短い、などといったことも信じられていました。古代及び中世のキリスト教徒達はまた、頻繁に異教における神々を悪魔に仕立てようとしました。例えばケルト人キリスト教徒達は、妖精は堕天使の子ども達であると主張して譲りませんでした。中世のオカルト主義者の中には、悪魔が地獄の帝国で組織され、王子や公爵といった階級が存在し、「首相」までいて、全てがベールゼブブに支配されていると信じている者もいました。この種の非常に複雑な神話では、特定の国に特定の悪魔が「大使」として任命されています。 1100年代になるまで教会は、悪魔が人間と性交渉を持つことはできないと考えていました。それから2世紀の後、逆の考え方が教会側の公式見解となりました。インクビ(インキュバスの複数形。ラテン語で「物の上に横たわる」の意味)という名前の悪魔は男性のような行動をとり女性を襲うとされ、女性のような姿をしたスキュビ(スキュバスの複数形。ラテン語で「物の下に横たわる」の意味)と呼ばれる悪魔は男性を餌食にしたのです。 |