アフラ・マズダー -Ahura Mazda- |
「賢明なる神」という意味です。 古代ペルシャの宗教ゾロアスター教における唯一真実の神です。西暦600年にイスラム教がペルシャを席捲したために、事実上ほとんど壊滅しましたが、それまでゾロアスター教は世界最大の宗教のひとつでした。(今日ではおよそ25万人のゾロアスター教徒が、イランとインドに残っています。) アフラ・マズダー、または善の神は宇宙を満たす光を創造しました。ゾロアスター教の聖典集アヴェスタによると、月と太陽はアフラ・マズダーの両眼です。アフラ・マズダーは6人の大天使(良心、真実、力、献身、健康、命)を従え、より低階級の天使達と共に自身の双子である悪の象徴アーリマン Ahriman 及び配下の悪魔達との戦いに明け暮れています。人は死ぬと誰でも裁きを受け、天国行きか地獄行きかが決定されます。しかしゾロアスター教における地獄の観念は幸い、果てしなく続く責め苦ではありません。時の終わりには、全ての悪は宇宙から排除されます。そして全ての生き物は善と真に立ち戻るのです。 多くの学者達はゾロアスター教における善と悪の天使の戦いという思想が、一部の古代ユダヤ人達に天使の戦闘という概念として借用され、それがやがてキリスト教にまで波及していったと考えています。キリスト教は、ユダヤ教に源を発する宗教であるからです。 |