亜麻布を着た男 -Man Clothed in Linen- |
旧約聖書で預言者エゼキエルは、 ヤハウェに従わず偶像崇拝を止めないイスラエルの民を無慈悲に罰することを決めた、ヤハウェの怒りに満ちた姿の幻を見ました。この夢の中でエゼキエルは、ヤハウェが6人の武装した天使達に向かって罰を下すための準備をするよう、叫んでいました。このうち1人は亜麻布をまとい、腰に書記の筆入れをつけていました。ヤハウェはこの筆記者に特別任務を与え、先頭にして送り込みました。亜麻布を着たこの男の仕事は、イスラエルの首都エルサレムで行われている不正・腐敗を嘆いている正しいユダヤ人の額に、印をつけることでした。エゼキエルは、続いて起こったことを以下のように語っています。 「また、他の者たち(筆記者の後をついていく天使)に言っておられるのが、私の耳に入った。『老人も若者も、おとめも子供も人妻も殺して、滅ぼし尽くさなければならない。しかし、あの印のある者に近づいてはならない。』」[「エゼキエル書」9:6] そして虐殺が始まりました。まず神殿の前にいた長老達が殺されました。エゼキエルが見たこの幻は、数多いうちの1つにすぎません。エゼキエルのこの預言は、バビロニアの王ネブカドネザルが自分に対して叛逆を起こしたユダヤ人を罰するため、エルサレムを略奪し寺院を破壊する少し前のものであるとする学者もいます。この時ユダヤの知識階級はバビロンに捕虜として連れて行かれ、ユダヤの将来の叛逆を抑える道具として使われました。これが紀元前500年代に起こった、いわゆる「バビロン捕囚」の始まりです。 |
2005年11月25日更新