Flower Garden

New!今回は、サクラを紹介します。

ソメイヨシノ
ソメイヨシノ
旭山
旭山

サクラ

バラ科サクラ属
園芸分類:落葉高木
花期:3〜5月中旬
用途:庭植え、鉢植え
バラ科サクラ属にはサクラ、ウメ、アンズ、ニワウメなど多くの種類や変種、品種があるので、それぞれを類にまとめています。
このサクラ類は多くは落葉性ですが、常緑性もあります。
高木から低木までのほとんどが北半球の温帯に産しますが、南米アンデス山脈にも一部見られます。
中でも我が国は種類と変異品種が非常に多く、花を観賞する歴史も非常に古いため、いつの時代から鑑賞されてきたかが定かではありません。
しかしいずれにしても、私達日本人とサクラとの関わりは深いものです。
我が国には北海道から沖縄までその地域に適した種類があり、これらのほとんどが鑑賞種であるところから、日本固有の花木と言っても過言ではなく、その美しさは他の国の比ではありません。
【種類】
ヤマザクラ
我が国の歴史に最初に現れてきたサクラはこのサクラです。
花は白に近い微紅色の一重で、花は開葉と同時に開きます。
園芸種や変種が数多くあります。
オオヤマザクラ
花はヤマザクラよりもやや大きく、美しい紅色〜淡紅色の花を2〜4個着生するところからベニヤマザクラ、エゾヤマザクラの別名もあります。
本州北部にも見られますが北海道、千島列島に多く見られる寒さに強い種類です。
ヒガンザクラ
落葉性の小高木〜中高木で、細い枝は斜上します。
蕾は紅色で、直径2〜2.5cmの花は正開して美しい物です。
野生種はなく自生地は不明ですが、本州東北から四国、九州に分布します。
早咲きが特徴です。
シダレザクラ
樹高が10〜20mになり、枝果実もヤマザクラより大きく、桜餅の葉はこのサクラの葉を塩漬けにした物です。
サトザクラ
枝は太くて粗生し、斜上に伸びて大きな樹冠を作ります。
八重の大きな花を咲かせる物が多いところから「ヤエザクラ」と一般に呼ばれていますが、一重咲きの品種も沢山あります。
本種はオオシマザクラの改良種と見られているように、栽培種が沢山あります。
6〜7分咲きの花を塩漬けした物が、桜湯として使われます。
全ての枝が直上するホウキザクラや花弁が100弁、200弁と多い物をキクザクラと呼び、金沢市内の兼六園内にある”兼六園桜”は250枚も花弁のある、有名な品種です。
カンヒザクラ
ヒカンザクラとも呼ばれる中高木〜小高木の早咲きのサクラで、沖縄では1月に開花します。
直径2cmくらいの緋紅色の花は、花梗と共に下垂して半開きに咲きます。
台湾の海抜1000mくらいの所に見られ、鹿児島や熱海など暖地なら1〜2月に開花します。
東京付近では3月中旬〜下旬になります。
マメザクラ
特に富士山麓や箱根地方に多いところから、フジザクラの名で知られています。
大低木〜小高木の小型のサクラで花も直径15mmと小さく、白色〜淡紅色の花です。
園芸種も沢山あります。
ソメイヨシノザクラ
サクラと言えば本種をさすほど各地に植えられているサクラで、野生種ではなくその出所や来歴ははっきりしていません。
今ではオオシマザクラとエドヒガンの雑種とされており、吉野山のサクラがヤマザクラであるところから、出現したと言われる江戸染井(現在の東京・巣鴨付近)の名を冠してソメイヨシノザクラと名付けられました。
江戸時代末期に人々に注目されて明治の初めにソメイヨシノザクラと命名され、急速に各地に広がっていきました。
この他にも多くの種類があります。
【栽培のポイント】
植え付け場所
放任状態で育てなくてはならないので、充分な広さを確保するようにします。
日当たり、水はけの良い、肥沃な所が最も好ましい場所です。
植え付け適期
暖地と寒地では異なりますが、東京付近では2月〜3月上旬、及び11月中旬〜12月を適期とします。
関東南部以西の地なら1〜2月や12月が適し、寒地では4月〜5月上旬に植えるようになります。
植え付け方
折れている根、こぶの付いている根、長い根などを切り詰めて綺麗な水に浸け、十分水揚げをしておきます。
植え穴は大きめに掘り、完熟堆肥をよく混ぜ、水はけが良くなるように高めに植え付けることがコツです。
植え付後の管理
植え付け後の地上部の切り詰めの必要はありません。
支柱は添え支柱で良いのですが、苗木よりもやや長めの物を取り付け、苗木をしっかり固定しておきます。
肥料
サクラは生長が速く根も広い範囲に張るので、普通の庭土であればほとんど何も施さなくてもよく育ちます。
病害虫
庭でよく見られるのは、花が終わった頃に見られるオビカレハの幼虫や、5月下旬〜9月に見られるアメリカシロヒトリガの幼虫、コスカシバ、アブラムシ、カイガラムシ、テッポウムシなどの害虫や幹や枝に見られるこうやく病、枝が細かく密生するてんぐ巣病などが挙げられます。
害虫については適切な駆除をすると共に、こうやく病は削り取って石灰硫黄合剤を塗っておき、てんぐ巣病枝は切り取って焼却処分をしておきます。
【増やし方】
繁殖はほとんど接ぎ木法によりますが、ヤマザクラやオオシマザクラ、オオヤマザクラなどは実生法で増やします。
マメザクラや台木に使うオオシマザクラは挿し木によります。
【花芽の付き方】
花は苗木を植え付け後2年目くらいから咲き始め、隔年開花はなく、年々花が多く咲いていきます。
花芽は長い枝には作られず、短くて充実している枝の頂部から3〜4芽に花芽が形成されます。
花芽の形成は生育環境によって大きく左右されますが、大体6月下旬〜7月中旬頃を目安として良いでしょう。
いずれにしても普通の生育環境であれば、特別な管理の必要はありません。
【整姿、剪定】
昔から「桜切る馬鹿・・・・・・」との諺があるように、剪定は好みません。
このようなことから、半ば放任して育てるのが一般的です。
しかし植木である以上、全く手を加えなくても良いものではなく適切な整姿、剪定は必要です。
例えば人為的なものや、風雪による枝折れや病害枝などは切り取ると共に、庭でも必要以上に伸びた枝は切る必要があります。
このような切り取るべき枝や不要な枝を切る場合は、不要な部分だけを切り取るようなことは避け、必ずその枝は基部の分岐個所で切り取ることがコツです。
切り口は殺菌剤を含む保護剤、例えばトップジンMペーストのような物を丁寧に塗って、保護しておくことも大切です。
剪定の適期は1〜2月です。

《鉢植えでサクラを育てたいのですが》
鉢植えで楽しむには中型、小型の物を選びます。
東北以北ではチシマザクラが良く、関東以西ではマメザクラ(フジザクラ)、カンザクラ(寒桜)、カンヒザクラ(寒緋桜)、ヒガンザクラ(彼岸桜)、イッサイザクラ(一才桜)などが挙げられます。
10号鉢以上の鉢を使えば、サトザクラやシダレザクラなどの栽培も容易です。
いずれにしても限られた土量の中で育てていく関係から、充分に肥培していくことが大切です。
また鉢は必ず台の上に置き、鉢底穴から根が土中に伸びていくことを防ぐことも大切です。

花言葉は・・・「花づくり大百科」版
ソメイヨシノ<淡いピンク>(3月8日の誕生花):優れた美人
ヒガンザクラ<淡桃>(3月14日の誕生花):心の平安
ヤエザクラ<ピンク>(4月5日の誕生花):理知に富んだ教育

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上記の文章は
「花づくり大百科」/主婦の友社刊

を参照させていただきました。

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