大内裏


平安京の北端中央に位置し、朱雀門・待賢門たいけんもんなどの諸門(宮城門きゅうじょうもん)に囲まれた地域を大内裏だいだいりと言います。
その中には皇室の私的住居(内裏)と、朝堂院・豊楽院ぶらくいんなどの宮殿、そして律令制2官8省の諸庁舎、及びその他のしき・寮・つかさなどの建物が含まれます。
平安京の大内裏は、朝堂院を朱雀門内正面に配置し、いわば国家の顔として権威を示すようにした点が平城京と異なります。
現在ある京都御所は、平安京の大内裏そのままではありませんが、主要な部分を如実に再現したものです。

◆朝堂院・・・ 「八省院」はっしょういんとも言います。大内裏の本庁で、国政や即位式・大嘗会だいじょうえなどの大礼が行われました。正殿が大極殿だいごくでんで、天皇がここで毎月1日・15日に執務されました。
◆豊楽院・・・ 節会せちえや饗宴・競馬くらべうま・相撲などの諸儀式が行われました。しかし11世紀以降から、諸儀式は朝堂院・紫宸殿ししんでんに移行されました。
◆平安神宮外拝殿・・・ 平安神宮は、明治28年(1895年)に平安京大内裏朝堂院を模し、約6割に縮小して建てられたもので、中央にある外拝殿は、正殿の大極殿に当たります。木部は朱塗り、屋根は碧瓦葺あおがわらぶきで、大棟の両端に鵄尾しびが置かれています。
◆紫宸殿・・・ 内裏の正殿で、故実では「ししいでん」と読みます。大極殿荒廃の後には朝賀・即位などの朝儀も行われました。前庭の左右に桜と橘(左近の桜・右近の橘)が植えられます。

Back