プロローグ


私はイヴァリースの中世史を研究している

アラズラムと申す者・・・

貴君は”獅子戦争”をご存じかな?

かつて、

イヴァリースを二分して争われた後継者戦争は

一人の無名の若者、ディリータという名の

若き英雄の登場によって

幕を閉じたとされている・・・

ここで暮らす者ならば

誰もが知っている英雄譚だ

しかし、我々は知っている

目に見えるものだけが”真実”ではないことを

ここに一人の若者がいる

当時、騎士たちの棟梁として名高い

名門ベオルブ家の末弟だ

彼が歴史の表舞台で活躍したという記録はない・・・

しかし、昨年公開された

(長年、教会の手によって隠匿されていた)

”デュライ白書”によれば

この名も無き若者こそが真の英雄だという・・・

いやいや、教会によれば

この若者は神を冒涜し

国家の秩序を乱した元凶そのものだとか・・・

どちらが”真実”なのか?

さあ、私と共に

”真実”を探求する旅へと出かけよう

おっと、その前に、

貴君の”名前”を教えてくれないかな・・・?


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