酒場で聞いた噂話


いらっしゃい。ゆっくりしていきな。
今はこんな噂が流れているぜ。

骸旅団について
盗賊による被害が各地で増加している。ここガリオンヌ地方も例外ではなく、荷馬車の襲撃事件や要人誘拐など、その被害は甚大なものとなっている。特にここ半年ほどで大きな勢力となっているのが”骸旅団”と呼ばれる盗賊集団だ。元傭兵や犯罪者が多数を占めており北天騎士団も手を焼いているようだ。
国王オムドリアIII世について
先日、オリナス王子の誕生会の席で倒れた国王オムドリアIII世の容態が心配されている。侍従庁の発表によると、熱が下がり意識は戻ったが、三週間の安静は必要とのこと。公の場に復活するには数ヶ月かかることが予想されている。とはいえもともと国政の大半は王妃のルーヴェリアを中心とした重臣達が担当しており、大きな混乱はないようだ。
五十年戦争について
イヴァリース(畏国)とオルダリーア(鴎国)の間で約50年間に渡って繰り広げられた戦乱を『五十年戦争』と呼んでいる。
五十年戦争の起こりは、鴎国国王ディワンヌIII世が世継ぎを残さずに亡くなったことから始まる。王位はIII世の従弟にあたるヴァロワVI世が継ぐがIII世の叔父にあたる畏国国王デナムンダII世がそれに不満を持ち宣戦を布告した。
これは口実に過ぎず、真の狙いは国境に面した鴎国領土ゼラモニアへの侵略であった。そもそもゼラモニアは独立国家であったが一世紀ほど前に鴎国の侵略によって併合されたという歴史を持っている。畏国は鴎国の弱体化のために援助していたが、結果的には失敗。しかし、ゼラモニアの貴族や諸都市らが鴎国支配に不満を持っており、再度、畏国に介入を求めたのが真相であった。
緒戦に勝利した畏国軍はそのまま鴎国の首都ブラへ進軍するが、その途中、デナムンダII世が病に倒れそのまま帰らぬ人となってしまうという事件が発生。わずかな畏国側の混乱は鴎国軍に態勢を立て直す絶好の機会を与え、ヴァロワVI世は畏国軍をゼラモニアまで追い返すことに成功した。
その後、約2年に渡り膠着状態が続いたが、その均衡を破ったのはロマンダ軍の侵攻であった。
ロマンダ(呂国)はラーナー海峡を挟んで畏国の背後に位置する強大な軍事国家で、血縁関係のあったヴァロワVI世の依頼に応じて畏国へ進軍したのである。しかし、デナムンダII世の跡を継いだデナムンダIV世は勇猛果敢な戦士であり、自ら騎士団を率いて呂国・鴎国の両軍を相手に健闘した。また、呂国で黒死病が大流行したこともありわずか3年で呂国軍は撤退することになる。
この時、特に戦功をあげたのが天騎士バルバネス率いる北天騎士団と雷神シド率いる南天騎士団であった。両騎士団は幾多の戦いで勝利を収め鴎国への進軍を試みる。しかし、長引く戦乱は両国の内政を悪化させていた。各地で農民一揆や反乱が相次ぎ、両国はそれぞれの戦力を国内へと向ける必要があったのである。これにより、再び膠着状態を迎えることになる。
事態が急変したのは、やはりデナムンダIV世の病死であった(これについては暗殺とも言われている)。跡を継いだオムドリアIII世はおよそ国王に不向きな人柄で、国政を重臣や王妃に任せる有り様であった。そのため、ゼラモニアに駐留する畏国軍を一掃し、畏国へ進軍するヴァロワVI世の跡を継いだラナード王子を止める力は既になかったのである。
ゼルテニアへの侵入を許した畏国は(北天騎士団や南天騎士団の奮闘があったものの)、和平への道を模索し始める。結局、両国はこれ以上の争いは無益なものと判断し、残された力を内政に振り分けるために和平協定を結ぶことになった。対等とはいえ、実際は畏国側の降伏であり、事実上の敗北であった。
この後、畏国の経済は近隣諸国に対する戦争借款の返済や勝利国に対する賠償金の支払に追われ破産寸前となった。そのため帰還してきた職業軍人達の働きに対する報奨金などなく、それどころか騎士団ごと解雇するという事態を発生させることになる。その結果、大量の失業者を抱える畏国には、王家や貴族に対する不満と不信感という空気が漂うことになった。
オムドリアIII世の病状について
国王オムドリアIII世の容態が急変したとの噂が王都を中心に広がっている。オリナス王子の誕生会の席で倒れて以来、回復に向かっていたと聞いていただけに側近達の顔からは落胆の色が隠せない。というのも、王子の後見人は未だ定まっておらず、国王亡き後、その後見人をめぐり王妃派と元老院の間で衝突が起こることは避けようがないからである。
骸旅団壊滅!?
ガリオンヌの各地を荒し回っていた骸旅団を代表とする盗賊団は、北天騎士団を中心とした四騎士団の共同作戦によって壊滅状態にあることが判明した。当局の発表によると、これまでの作戦によって捕らえた盗賊は約七百名、死亡者は約三千名にも上るとのこと。骸旅団の頭目のウィーグラフは未だに捕らえられていないが、それも時間の問題と北天騎士団関係者は語った。
ダイスダーグ卿暗殺未遂事件
盗賊団の中で最大規模を誇った骸旅団も壊滅状態にあるが、頭目のウィーグラフを捕らえることに未だ成功していない。北天騎士団は残党狩りに精力を費やしているが、そんな中、成都イグーロスで残党による要人襲撃事件が起こった。襲撃されたのは名門と名高いベオルブ家の邸宅。ラーグ公の側近、ダイスダーグ卿を暗殺することが目的だったらしい。幸い暗殺は未遂に終わった。
国王の死後
国王オムドリアIII世亡き後、王妃ルーヴェリアによる政治の私物化が進んでいる。自分の方針に異を唱える議員は容赦なくその地位を剥奪され、それが元老院の議員であっても同様だ。王妃に対してその態度を正面から批判していた王太后はブナハンへの蟄居を命ぜられ、そのまま帰らぬ人となった。毒殺されたとの噂もあるが定かではない。
ラーグ公とゴルターナ公の確執
畏国の覇権をめぐり、王妃の実兄であるラーグ公と亡き国王の従弟にあたるゴルターナ公の間で激しい政治闘争が繰り広げられている。二人が狙っているのはオリナス王子の後見人、つまり摂政の座である。王妃はラーグ公を推しているが、王妃に反発する議会や貴族の多くはゴルターナ公の支持にまわっているようだ。近々、ゴルターナ公が正式に摂政に任命されるとの噂もある。
ゼルテニアで大規模な農民一揆
ゴルターナ公の所領地、ゼルテニアで大規模な農民一揆が発生した。原因は昨年の干ばつによる農作物に対する被害が予想以上に大きかったことと、五十年戦争以後、どんどん高くなる税金に対する不満が一気に吹き出したものと言える。一揆の裏には”亮目団”と呼ばれる元騎士団が関与しているようで、鎮圧にあたっているグリムス男爵配下の黒羊騎士団は苦戦を強いられている。
王女誘拐New!
オーボンヌ修道院に預けられていたオヴェリア王女が何者かに誘拐されるという事件が起きた。目撃者によると連れ去った騎士の一団は黒獅子の紋章を付けていたことからゴルターナ公配下の南天騎士団の騎士と思われるが、ゴルターナ公はそれを否定している。ゴルターナ公は疑いを晴らすために捜索隊を編成したが、ゼルテニア領での反乱鎮圧のために戦力を割くことが難しいようだ。

ありがとう

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FFT

2005年7月15日更新