殷馗(いんき)


遼東の人。天文に詳しい人物とされる。官渡の戦いで袁紹を破った曹操は、黄河沿いに陣をしいた。そこへ、村の100歳近いという老人達が酒食を携えて陣中見舞に現れ、「昔、殷馗が『50年後に天命を受けた人物がこの地に来るだろう』と予言致しましたが、今年が丁度その50年目にあたります」と曹操をおだてた。すっかり気を良くした曹操は一切の略奪を禁じた。これは村の長老達が村を略奪から守るために打った一芝居とも思われるが、後に劉備に会った水鏡先生司馬徽が、潁川に人物が多いことを話した際にも、殷馗の天文による予言を引いている。

※前者は『魏志』武帝紀の本文に、「曹操が官渡で袁紹を破ったのは、丁度殷馗の予言した『五十年後』の年にあたっていた」と記してあるのに基づいているのであろう。

Line

三國志 ア行