グレート・マザー
人間は誰でも母親から生まれてきます。そして人間が成長するためには、心理的にも肉体的にも母親的な保護や情愛といったものがどうしても必要になります。この母子関係を自然に当てはめれば、生命を生み出す母体は海であったり大地であったりするわけです。こうした母親的な部分、つまり何かを守り育てたいという意識は、男女を問わず私達の心の中にも存在しています。そうした心理的影響力とイメージの総称をグレート・マザーと呼ぶのです。
このイメージは前記のもの以外にも、生命を生み出す子宮をイメージさせる「洞窟」や「穴」などにも当てはまっていきます。
もちろん、ものを守り育てるというグレート・マザーの力には、半面、かわいがりすぎて自分と同一化したり、依存したりという否定的な力も秘められていると言えるでしょう。生み出す力は、破壊する力とも表裏一体になっているのです。