山膀しゃんぱん


日本の能の基礎訓練に「カマエ」や「ヒラキ」があるように、京劇にも「山膀」という最も基本となる姿勢があります。
京劇役者の動きを注意深く観察すれば、この山膀が繰りかえし現れるのにすぐ気付くでしょう。
片方の手を拳に、もう片方の手は掌を外に向けて両腕を水平に伸ばし、肩をいからせずに肘をこころもち高く挙げて、両腕が「山」の字のように見える姿勢です。
「山膀」という名称は、この腕の形から来ています。
腕の高さは役柄によって若干異なり、隈取りをする花臉が最も高く、生は中間、丑と旦が最も低くなります。
ちょっと試して頂ければ分かりますが、1分同じ形を保とうとするだけでも非常にきつく、すぐに両肩が震えてきてしまいます。
腰腿功と同じように、役者の基礎訓練として養成期間の始めからみっちり仕込まれる演技術の1つで、両腕を水平に挙げたまま数十分も同じ姿勢を保つという厳しい訓練が今日でも行われています。

Line

◆京劇単語◆