第1話

-勇者オルテガ-

アリアハンの城下町。
一人の女性が急ぎ足でオルテガの家の前にやって来た。
「・・・・・・はあ、はあ。ねえ!オルテガさんの子どもが生まれたんですって!?」
それを聞いた兵士は嬉しそうに、飛び上がらんばかりの勢いで答えた。
「そうとも!すごい元気な赤ちゃんだそうだ。」
道具屋のおじさんもにこにこしながら答える。
「アリアハンの勇者オルテガの子どもなら、きっと立派な戦士になるぞ!」
「・・・・・・そうよね。さあ、早く赤ちゃんの顔を見せてもらいましょう!」
3人はオルテガの家の扉を叩いた。
「おお、よくいらっしゃったのう。」
出迎えたのはオルテガの父ティルガである。
「エレンも喜ぶじゃろう。さあ、上がった上がった!」

ここはアリアハンの城。
兵士達が王の前に整然と並んでいる。
年をとってはいるものの、王の声には張りがあった。
「皆の者!ついに我がアリアハンの勇者オルテガが、魔王の城へ旅立つこととなった。
戦いの旅はさぞや厳しいものになるであろう。しかしオルテガは我々の、いや、世界の希望じゃ!
必ずや平和を取り戻してくれるであろう。
さあ!勇者オルテガの出発を皆で見送るのじゃ!」
「はっ!」
兵士達は勇者オルテガを見送るべく、城を出発した。

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