第12話

ライアンとフレアは教会へ向かった。

すると夜にも拘わらず、神父は温かく2人を迎えてくれた。

「よくぞ戻られた!ライアン殿!おお神よ!この者達に聖なるご加護のあらんことを!アーメン!」

2人は祈りを済ませると、再び城に足を踏み入れた。

「ぐうぐう・・・・・・。」

ベッドの兵士は疲れのためか、いびきをかいて眠っていた。

「さあ寝るぞ、寝るぞ。人間やっぱり、眠る時が一番幸せでござる。」

これから眠りに就こうという兵士が言った。

「フレア殿。もう遅いゆえ、イムルへ向かうのは明日にしたらいかがでしょうか?」

「でも私は一刻も早く、夫を牢屋から救い出したいのです。」

「分かりました。それほどおっしゃるのでしたら、私がお供致しましょう。」

「ありがとうございます。戦士様。」

こうして2人はバトランドを出ると、早速アレクスのいるイムルの村へと向かった。

途中でモンスターに出会ったが、労せず村へ辿り着くことができた。

村へ着くと、2人は早速地下牢へと向かった。

フレアは鉄格子に駆け寄ると喜びの声を上げた。

「あなた!あなたなのね!?」

ところがアレクスはきょとんとした様子でフレアに視線を向けると、こう言った。

「・・・おばちゃん誰?」

「私が分からないの?あなたの妻、フレアよ!」

「・・・・・・・・・・・・!」

返事のないアレクスに焦れたのか、フレアは更に近付いて行った。

「ほうら、これでも思い出さない?ぱふぱふ、ぱふぱふ・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・おおう。」

何かピンと来るものがあったのだろう。

アレクスは突然飛び跳ねると、妻の名を呼んだ。

「・・・・・・フレア!」

「そうよ!私よ!」

「全くオレとしたことが。魔物共に襲われ死にかけた恐怖で、子供返りしていたらしい。」

アレクスはライアンに顔を向けると、礼を述べた。

「そこの戦士殿。どうもありがとうございました。」

そして何か思い出したのか、更に言葉を続けた。

「あっ、そうそう。これは子供達から聞いたのですが・・・・・・。村の南東の森の中に子供達の遊び場があるとか。何かあるかもしれません。是非行ってみてはどうだろう。」

「それは有難い情報です。早速行ってみましょう。」

ライアンは早速出掛けることにした。

「お気を付けて、戦士様。」

フレアの言葉を後に、ライアンは村を出て南東の森へと足を踏み入れたのだった。

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