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フィアナの戦士

レイドリック 「どうだ、王子は見つかったか?」
ワイズマン 「いえ、村中くまなく探しましたが、まだ見つかってはおりません。」
レイドリック 「馬鹿者!何をグズグズしている。レンスター王国の生き残りがこの村に隠れていることは、間違いないのだ。村人を締め上げて、居場所を吐かせろ!」
ワイズマン 「はっ、もちろんやっております。しかし、どうやらこの村にいないのは本当のようです。王子達は、フィアナ義勇軍と共に海賊に襲われた村を助けに行ったと、村人達は申しております。」
レイドリック 「フィアナ義勇軍?なんだ?それは・・・。」
ワイズマン 「この村は元々山賊の根城だったようです。それを十数年前にエーヴェルという旅の傭兵が、山賊共を平らげて支配者におさまり、今では義勇軍と称して近隣の村々を守っているそうです。何でも、かなり腕の立つ女だとか・・・。」
レイドリック 「ふうむ・・・。それは少し面倒だな。」
ワイズマン 「ご心配には及びません。エーヴェルの娘は、捕らえて人質にしております。それに王子の護衛役、騎士フィンの娘も捕らえました。これなら奴らも反抗はできぬでしょう。」
レイドリック 「ほう、貴様にしては上出来だな。よし、娘達はワシがマンスターに連れ帰ろう。貴様は村に残って、反逆者共の帰りを待て。王子が帰って来たら、必ず捕らえるのだぞ!」
ワイズマン 「はっ、お任せ下さい。誰か!娘達をここへ連れて来い!」
人質の娘達が兵達によって、レイドリックの前へ連れて来られた。
レイドリック 「娘、名は何と言う。」
マリータ 「フンッ・・・。」
レイドリック 「ふっ、気の強いところもまた可愛いものだ。して、もう一人は・・・。ほぉ、お前はフィンの娘か。母親はノディオン王国の娘らしいな。さすがに血は争えぬものよ。こんな辺境にありながら、気品は失っておらぬ。」
ナンナ 「・・・・・・。」
レイドリック 「ふふふ、これは思わぬ手土産ができた。よし、マンスターに戻るとしよう。ワイズマン、後は頼んだぞ!」
ワイズマン 「はっ!」
レイドリックはマリータとナンナを連れ去って行った。

フィアナ義勇軍が村へと辿り着いた。
エーヴェル 「どうしたのかしら。何だか様子がおかしいわ・・・。」
ハルヴァン 「エーヴェル様、私が見てきます。少しお待ち下さい。」
ハルヴァンが様子を見て戻って来た。
ハルヴァン 「エーヴェル様、村は帝国兵で一杯です。我らの留守に襲われたようです・・・。」
オーシン 「なんだと!くそっ、帝国の奴ら、ふざけたマネしやがって!エーヴェル様、村へ汚急ぎましょう!」
ハルヴァン 「落ち着け、オーシン。何の準備もせずに村に戻ったりしたら、帝国兵の返り討ちに合うだけぞ。」
オーシン 「ハルヴァン、お前、何でそんなに落ち着いてんだよ!村が襲われてるんだぜ!」
エーヴェル 「ハルヴァンの言う通りです。オーシン、少し落ち着きなさい。リーフ様、どうやら帝国に気付かれてしまったようです。残念ですが、ここでお別れです。私達が帝国兵を引きつけている間に、少しでも遠くに逃げて下さい。フィン、あなたも王子と一緒に・・・。」
リーフ 「エーヴェル!村にはナンナがいる。僕達だけで逃げるわけにはいかないよ。」
エーヴェル 「ナンナ様は私が取り戻します。リーフ様は心配なさらないで。」
リーフ 「いや、違うんだ。僕はもう逃げない、そう決めたんだ。」
エーヴェル 「フィン、あなたはどうなの?王子を危険な目に合わせてもいいの?」
フィン 「王子は15才になられた。もう、ご自身で運命は決められるお年だ。私は一人の臣下として、王子のご意志に従う。」
エーヴェル 「そう、15才に・・・。それで、海賊討伐にもお連れしたのね。分かりました。フィンがそう言うのなら、私に異存はありません。」
オーシン 「・・・何だかよく分かんねえけど、話が終わったんなら早く行きましょうよ!」
エーヴェル 「ええ、でも気をつけて。帝国兵とはいえ、下級兵士はムリヤリ徴兵された市民達です。できれば殺さず捕まえて、武器を奪った後、解放するの。いいわね!」
オーシン 「でも反抗できないくらいに痛めつけるのならいいでしょう?そうでないと、こっちがやられちまう。」
エーヴェル 「ええ、それはそうだけど、痛めつけすぎて殺さないようにね。特に、オーシンは気をつけるのよ。」
オーシン 「ちぇ〜、俺は信用ないんですか。」
エーヴェル 「では行きましょう。みんな、フィアナ義勇軍の名に恥じない戦いを!」

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