エレブの動乱
大陸エレブ そこには天敵を持たぬ『人』が広がりいくつもの文化を築き上げていた まず西に大陸一華やかで高度な文化を誇る『エトルリア王国』 東に派手さはないが堅実な文化と質実剛健な気風を良しとする『ベルン王国』 この二つの王国が中心となりそれに挟まれる形で小勢力が続く 複数の領主達が手を結び二大王国に対する『リキア同盟』 民と共に荒地を切り開く『イリア』地方の諸騎士団 広大な草原を馬で駆け巡る『サカ』地方の諸部族 それらの力のバランスにより小さな争いこそあれ全体としては安定を保ってきた・・・ ところがその安定が突然脆くも崩れ去った 東の大国『ベルン王国』が国王ゼフィールの命の下各地へと侵攻を開始したのである ベルン軍はサカ・イリアなどの地方に攻め込み抵抗する者をことごとく討ち果たした そしてその手はリキア地方にも伸び始めていた リキア東部の領土フェレ周辺を治めるフェレ侯エリウッドの嫡男ロイは次期領主となるためにリキア一の大都市オスティアへと留学していた しかし病中の父エリウッドに突然帰国を命じられる それはエリウッドの親友オスティア侯ヘクトルの名代としてヘクトルの愛娘リリーナがフェレへと見舞いに向かった後であった そのすぐ後を追う形でロイは自分に従うフェレの忠臣達とリリーナ帰路の護衛にと付けられたオスティア重騎士のボールスを従え海路故郷のフェレを目指した そして物語はロイ達がフェレ領のすぐ側まで戻ったところから始まる・・・ |