賢者テラ

「ここが地下水脈の南口らしいな。」

「暗いね。」

「やっぱりリディアは戻った方が・・・。」

「嫌!それにあたし、さっきの戦闘でケアルを覚えたんだよ。セシルが怪我をしたら治してあげられるよ!」

「・・・分かったよ、リディア。ありがとう。」

奥へと進んで行くと、2人は1人の老人に出会った。

「もしかしたら・・・。」

「賢者様?」

2人は顔を見合わせると頷いた。

老人は2人に気付くと、セシルの全身を眺めてから言葉を発した。

「ヌッ、お主!よく見れば暗黒剣の使い手じゃな!頼む、手を貸してくれ!」

「どうしたんです?」

「娘のアンナが吟遊詩人に騙され、ダムシアンに行ってしまったのじゃ!ダムシアンに不吉な気配が立ち込めておる!」

「では、あなたが賢者テラ!」

「いかにもテラじゃ!心配になってダムシアンに向かう途中なんじゃが、この先の地下の湖にいる巨大な魔物に手こずっとる。とてつもない力を持ったヤツじゃ!私の魔法だけでは倒せん!お主の暗黒剣とならば!」

と、ふとリディアに目を留めたテラは驚きの表情を浮かべた。

「!?何と!その子は召喚士か。かなりの資質を持っておる。」

セシルはテラの言葉に頷くと、自分達の目的を伝えた。

「ダムシアンへは僕らも行かなくてはならないんです!」

「ならば決まりじゃ!一刻も早くダムシアンへ!」

こうして賢者テラが仲間に加わることになった。

幾度となくモンスターとの戦闘を繰り返しながら進んで行くと、扉が行く手を塞いでいた。

扉の先には魔方陣が存在しており、辺りには水滴の音が響いている。

「よし、ここで休んでゆこう。」

テラの提案で一行は体を休めることにした。

「この魔方陣の上ならば、結界が張られていて魔物が寄って来れんのじゃ。テントやコテージで休んだり、セーブしたりもできる。ヤツとの戦いに備え、私のテントで態勢を立て直すとしよう!」

一行はしばしの眠りについた。

- 完 -

BackNext

前に戻ります

2006年6月23日更新