天騎士バルバネス
騎士として最高位の称号
”天騎士”を戴く偉大なる勇者
バルバネス・ベオルブは
その日、
最期の時を迎えようとしていた・・・
五十年戦争末期、ベオルブ家にて | |
バルバネスがベッドに横たわっている。 | |
天騎士バルバネス | 「戦況は・・・・・・どうか・・・・・・?」 |
聖騎士ザルバッグ | 「我が北天騎士団の奮迅の働きによりランベリーを奪還致しました。」 |
「鴎国軍がゼルテニアから撤退するのも時間の問題でしょう。」 | |
「全ては順調です。ご心配なく。」 | |
ダイスダーグ卿 | 「ラナード王子の側近、レナリオ伯に送った密使が戻って参りました。」 |
天騎士バルバネス | 「そうか・・・、ならばよい・・・・・・。これで・・・・・・長き戦いも・・・・・・終わる・・・。」 |
アルマ | 「お父様・・・・・・。」 |
天騎士バルバネス | 「良い良い・・・・・・泣くな・・・娘よ・・・・・・。」 |
聖騎士ザルバッグ | 「ラムザはどこだ・・・?こんな時に・・・!」 |
天騎士バルバネス | 「ダイスダーグ、ザルバッグ・・・。わしの自慢の息子達よ・・・。」 |
「ラムザを頼む・・・。お前達とは・・・・・・腹が違うが・・・・・・わしの血を分けた息子だ・・・・・・。」 | |
廊下を走る音が聞こえてくる。 | |
ラムザが慌てて入って来る。 | |
ラムザ | 「父上ッ!!」 |
ダイスダーグ卿 | 「・・・騒々しいぞ。」 |
天騎士バルバネス | 「よく来てくれたな・・・・・・。よく・・・顔を見せてくれ・・・・・・。」 |
ラムザ | 「父上・・・・・・。」 |
天騎士バルバネス | 「久しぶりだな・・・・・・。いい面構えになったぞ・・・・・・」 |
「学校はどうだ・・・・・・?春からは・・・・・・アカデミーだな・・・・・・。」 | |
ラムザ | 「・・・・・・・・・・・・。」 |
天騎士バルバネス | 「良いか、ラムザ・・・・・・。」 |
「我がベオルブ家は・・・・・・代々王家に・・・・・・仕える武門の棟梁・・・。騎士の魂は我らと共にある・・・。」 | |
「ベオルブの名に恥じぬ騎士になれ・・・。不正を許すな・・・。人として正しき道を歩め・・・。」 | |
「お前はお前の信じる道を・・・・・・歩むのだ・・・。それが・・・・・・ベオルブの名が示す真の騎士道だ・・・。」 | |
ラムザ | 「はい、父上・・・。」 |
天騎士バルバネス | 「ディリータはいい子だ。身分は違うがお前の片腕として役に立とう・・・。」 |
「士官アカデミーへの・・・編入の手続きを取っておいた・・・。ふふふ・・・、学長は目を丸くしていたがな・・・・・・。」 | |
「お前に生涯仕える味方となろう・・・。仲良くな・・・・・・。」 | |
ラムザ | 「は、はい・・・・・・、父上・・・・・・・・・。」 |
天騎士バルバネス | 「アルマを頼んだぞ・・・・・・・・・。」 |
「兄達に負けぬ騎士になれよ・・・、ラムザ・・・・・・。」 | |
そう言い残すと偉大なる勇者、天騎士バルバネスは静かに息をひきとったのである。 |
ラムザ | 「っ!・・・・・・」 |
「夢か・・・。」 | |
「父上・・・・・・。」 | |
「もっと父上にいろいろなことを教わりたかったです・・・。」 |
◆FFT◆