ジークデン砦


ラムザ達はレナリア台地を通って魔法都市ガリランドへと向かい、装備を整えるとジークデン砦への道を急いだ。
レナリア台地を通りフォボハム平原を抜けると、ジークデン砦である。
砦では、ティータを人質にとったゴラグロスが北天騎士団と対峙していた。
震えるような寒さの中、雪が降っている。
騎士ゴラグロス 「さっさと、ここを立ち去るんだッ!この娘がどうなってもいいのかッ!」
「おかしなマネはするなよ!この砦の中には火薬がごまんと積まれているんだ!」
「お前達全員を吹き飛ばすだけの量はたっぷりあるんだぞッ!分かったらさっさと行けッ!」
聖騎士ザルバッグ 「我々北天騎士団は貴様達の脅しなどに屈したりはしないッ!!」
その時、砦に到着したラムザが叫んだ。
剣士ラムザ 「兄さんッ!アルガスッ!!」
剣士ディリータ 「ティータッ!!」
ティータ 「兄さんッ!!」
騎士ゴラグロス 「早く退けッ!さあッ!!」
聖騎士ザルバッグ 「構わん、やれ!」
剣士アルガス 「ハッ!」
アルガスが弓を射る。
矢はゴラグロスが人質にとっていたティータの胸に命中した。
ティータが崩れ落ちる。
騎士ゴラグロス 「な、何のつもりだ・・・??」
アルガスが再び弓を射る。
矢はゴラグロスの胸に命中し、ゴラグロスも倒れた。
ティータ 「ディリータ・・・兄さ・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・。」
剣士ディリータ 「ティーターッ!!!!!」
茫然自失のディリータが、地面に膝をつく。
伝令の騎士がやって来る。
北天騎士団騎士 「ザルバッグ将軍殿下、山道に新たな敵兵が出現しました!」
「人数は役50名ほど。中にウィーグラフらしき顔を見かけたとの報告です!」
聖騎士ザルバッグ 「分かった、すぐに行く。・・・後は任せたぞ、アルガス。」
ザルバッグが去って行く。
騎士ゴラグロス 「ク・・・、クソッ・・・・・・!」
ゴラグロスが体を引きずるように砦の中へと入って行く。
剣士ディリータ 「ティータッ!」
ディリータが側にいたラムザを押しやる。
剣士アルガス 「何処へ行こうって言うんだ?」
剣士ディリータ 「アルガスッ!貴様ーッ!!」
剣士アルガス 「何だ、やろうって言うのか?いいだろう、相手になるぜ!」
剣士ラムザ 「兄さん・・・、どうして・・・?どうして、ティータを・・・・・・?」
剣士アルガス 「さあ、かかって来いよ!家畜は所詮家畜だってことを教えてやるッ!!」
アルガスが指笛を吹くと、援軍が現れる。
剣士ラムザ 「何故だ、何故、こんなことをするッ!アルガス、何故だッ!!」
剣士アルガス 「ラムザ、お前の兄キの命令だぜ。何故はないだろ?」
「それに、たかが平民の小娘のためにお前は騎士団の誇りを捨ててあいつらの要求を飲むと言うのか!?」
剣士ラムザ 「ティータは・・・、ティータはディリータの妹なんだぞッ!!」
剣士アルガス 「いい加減に気付いたらどうだ!『違う』ってことにな!」
「生まれも違うなら、これからの人生も全く違う!宿命って言ってもいい!」
「ヤツとヤツの妹はここにいてはいけなかった!花でも売って暮らしていれば良かったんだよッ!」
「ラムザ、お前はどうなんだ?」
「何故、オレと戦うッ?オレに剣を向けるということは、北天騎士団を裏切るということだぞ!」
剣士ラムザ 「クッ・・・。しかし・・・、しかし、こんなこと、許されるっていうのか!」
剣士アルガス 「筋金入りの甘ちゃんだぜッ!何故、お前なんんかがベオルブ家に?」
剣士ディリータ 「アルガスッ!よくもティータをッ!殺してやるぞ、殺してやるーッ!!」
剣士ラムザ 「僕だって、好きで生まれたわけじゃないッ!!」
剣士アルガス 「それが甘いって言うんだよッ!自分に甘えるなッ!!」
「ベオルブ家は武門の棟梁だ!トップとして果たさねばならない役割や責任があるッ!」
「お前でなければできないことが沢山あるんだ!それができないヤツの代わりに果たさねばならない!」
剣士ラムザ 「利用されるだけの人生なんて真っ平だッ!!」
剣士アルガス 「利用されるだけだと?ふざけるなッ!!」
「ベオルブ家がベオルブ家として存在するために、オレ達は利用されてきた!」
「いや、勿論、オレ達だってベオルブ家を盾として、その庇護の下生き続けることができた!」
「そうさ、持ちつ持たれつの関係を築いてきたんだッ!そうやってお前は生きてきたッ!」
「利用されるだけだと?お前は、”親友”と称するディリータでさえ利用してきたんだ!」
剣士ラムザ 「僕がディリータを利用してきた・・・?」
北天騎士団の攻撃を受け、傷つくディリータ。
剣士ラムザ 「大丈夫か、ディリータ?」
剣士ディリータ 「オレに構うな、ラムザ!アルガスの次は、お前の番だッ!!」
剣士ラムザ 「ディリータ・・・・・・。」
剣士アルガス 「お前だってオレを利用するためにマンダリア平原で助けたんだろう?」
剣士ラムザ 「馬鹿なことをッ!目の前で困っている人間を放っておけるかッ!」
剣士アルガス 「だったら、次からは捨てておけ!友好的な人間だけとは限らんからな!」
「悔しいか、ディリータ!自分の無力さが悔しいだろッ?」
「だが、それがお前の限界だ!平民出のお前には事態を変えるだけの力はない!」
「そうだ、そうやって、嘆き悔しがるとこしかできないんだ!はっはっはっ、いい気味だぜ!!」
剣士ディリータ 「言いたいことはそれだけか・・・?それだけかッ、アルガスッ!!」
剣士アルガス 「そういきりたつな、ディリータ!すぐに妹の後を追わせてやるッ!」
剣士ディリータ 「オレはお前のいいなりにはならん!誰にも利用されんッ!!」
剣士アルガス 「ふんっ、まだ言うか!」
アルガスはディリータのはねつき帽子を破壊した。
剣士ディリータ 「くそっ!!」
ゴルドン 「風、汝の波動の静寂に消える時 我が力とならん・・・ シヴァ!」
ホィットマン 「たゆとう光よ、見えざる鎧となりて 小さき命を守れ・・・ プロテス!」
剣士ディリータ 「お前もおしまいだ、アルガスッ!!」
剣士アルガス 「く・・・くそッ・・・・・・お前達・・・・・・な、軟弱者共に・・・・・・・・・やられ・・・・・・・。」
アルガスが倒れる。
この戦いでラムザ達は更に7700GILを手に入れた。

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