- 雪の校庭 -
雪の積もった校庭に、子ども達が集まっている。 |
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「うわぁ、何だよこれ。こっちのチーム、弱いヤツばっかじゃん。こんなヤツらと組んだって、面白くも何ともないよ。」 | |
ライルはミュートの元へと近付いて行った。 | |
「あれ、ミュート。今日はクマさんと一緒じゃないの?」 | |
「・・・・・・。」 | |
「そりゃそうさ。雪合戦なんかで大切なクマさんが汚れたら大変じゃん?」 | |
「ママからもらった、大切なクマさんだもん、な〜?」 | |
先程からその様子を見ていたマーシュは、思わず1歩を踏み出していた。 | |
「何だよ、転校生。」 | |
「ほっとけよ。どうせコイツ、言い返さないよ。女みたいな性格なんだからさ。」 | |
その言葉に腹を立てたリッツが1歩前へ出て言った。 | |
「そーゆー発言やめてくれない?『セクハラ』って言うのよ。『女性蔑視』だわ。」 | |
リッツは今度はライルの元へと近付いて行った。 | |
「な・・・何だよ、リッツ。」 | |
「そっちのチーム、イヤなんでしょ?なら、代わってあげるわよ。これで満足?さっさとゲームを始めたいのよね。」 | |
ライルがリッツと入れ替わると、リッツはマーシュに向かって言った。 | |
「アンタも名前くらい言い返してやればいいのよ。いつまで経っても『転校生』なんて呼ばれちゃって!」 | |
「ごめんね、マーシュ。」 | |
「何でミュートが謝るのさ。ミュートは何も悪くないよ。」 | |
「・・・・・・。」 | |
「先生、準備できました。ゲームを始めましょう!」 | |
「よし、それじゃあ雪合戦を始めるぞ!」 |