倦土重来〜鎮守の沼にも蛇は住む〜 第1話

「だめっ、やめてっ!」
「それを呼んではだめっ。」
「いやっ、呼ぶのはいやっ。」
「ああーっっっ。」

来る・・・何か黒いものが来る・・・

「いやあああぁーっ。」

・・・・・・っ!?

夢?
またあの夢だ。
近頃あの嫌な夢ばかり見る。
大きな黒い龍が襲って来る夢・・・・・・。

顔を横に向けると双子の姉、蘭も私同様、汗をびっしょりとかいて青ざめた顔をしていた。

「もしかして・・・あかねもまたあの夢を見たの?」
「うん。蘭も?」
「一体何なんだろう?2人して同じ夢を見るなんて・・・。」
「やっぱり双子だからかなあ?」
「とにかく早く着替えて学校行かなくちゃ。」
「・・・あっ、いっけない。早くしないと朝食食べる時間なくなっちゃうよ。」
「急ごう。」
「うん。」

汗びっしょりの体を拭いて階下へ降りて行くと、おいしそうなハムエッグの匂いがしてきた。
「おはよう!」
「おはよう。」
「まあ、2人とも寝坊?」
「えへっ。」
「・・・・・・。」
「どうしたの?蘭・・・。」
「何でもない。ちょっとこのところ嫌な夢ばかり見て・・・。」
「そうなの、お母さん!私も蘭と同じ夢を見るんだよ。」
「まあ、そうなの?やっぱり双子だからかしらねえ?」
「ちょっと時計を見てみろ。時間ないんじゃないか?」
「あっ、お父さん、おはよう!」
「あっ、ほんと・・・。あかね、急がないと・・・。」
「うん。」
私は急いでハムエッグとパンをかじる。
と、それまで黙っていた兄の鷹仁が声を掛けてきた。
「2人とも同じ夢を見るなんて不思議だね。で、どんな夢なんだい?」
「うん、それが・・・。大きな黒い龍が出てくるの。」
「黒い龍?」
「そうなの。ドラゴンとかじゃなくって、何だか日本昔話とかに出てきそうな日本風の龍なの。」
「ふうん。一体何なんだろう?」
「分からないよー。あっ、そろそろ出掛けないと。ごちそうさまっ。」
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい。気をつけるのよ。」
「はーい!」

本当に中途半端なところで終わってしまって申し訳ありません。
長くなってしまうので、ちょこちょこと区切っていきます。
まだほんの序盤です。
ゲームの登場人物はまだ3人だけ。
しかも八葉は1人だけですね。(^^;)

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