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警報が鳴り響いている。

タシロ艦長が副長に尋ねる。

「副長!何隻生き残った!?」

「本艦一隻のみです・・・。」

「マシーン兵器部隊は!?」

その問いにオオタが答える。

「・・・ほぼ壊滅状態です。」

「ぐぐっ・・・何てこった!!EOTの粋を集めた我が艦隊がこうまでやられるとは・・・!!」

「艦長、あの敵はエアロゲイターや巨人型の異星人ではありません。恐らく、7年前に外宇宙探査艦るくしおんを撃沈した敵と同種の存在かと・・・。」

「何だと・・・!」

副長が2人の会話に割って入る。

「艦長、彼我戦力差が大きすぎます。ここは撤退すべきです。」

「いかん!そんなことをすれば、奴らに地球の位置を知られる!!何としてもここで食い止めるんだ!!」

戦闘に出ているカズミがノリコとユングに声を掛ける。

「ノリコ、ユング!いいわね、ここで私達がやつらを食い止めなければ、地球圏は・・・!!」

「それぐらい、言われなくても分かってるわ!それより、ノリコが・・・!」

「ノリコ!?どうしたの!?」

カズミに問われ、不安そうな表情でノリコが答える。

「・・・お、お姉様・・・わ、私・・・。」

「ノリコ!?」

「あ、あんな敵と・・・戦うなんて・・・!」

「ノリコ、しっかりしなさい!」

様子のおかしいことに気付いたオオタが彼女らに声を掛ける。

「タカヤ!アマノ!何をしている!?戦わなければ、お前達も死ぬぞ!!今まで何のために厳しい訓練を受けてきたか・・・それを思い出せ!」

「そうよ、ノリコ!ここで私達が倒されるわけにはいかないのよ!」

「コ、コーチ・・・お姉様・・・。」

「私達がここで敗北すれば、地球に・・・人類に危機が訪れる・・・!」

カズミの言葉でノリコの表情が変わった。

「!!」

(ここで・・・負ければ地球の人が・・・キミコ達が・・・!)

「わ、分かりました、お姉様!何とかやってみます!」

ユングが力強い声で2人を励ますように声を発した。

「行くわよ、2人共!!」

艦長のタシロが命令を発する。

「全砲門開け!目標、艦首前方敵集団!!」

副長が答える。

「了解、全砲門発射態勢へ!」

「よおし、撃ちまくれ!!」

戦艦エクセリヲンが宇宙怪獣に向けて中口径光線砲を発射する。

「レーザー砲、よく狙え!撃てっ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

敵が激しく爆発する。

ノリコがRX-7 ナウシカで宇宙怪獣に攻撃を仕掛ける。

「あたしだって、トップの一員なんだから!イ・ナ・ズ・マ・キィィィィック!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

宇宙怪獣が爆発する。

ユングがRX-7 ミーシャでプラズマビアンキを仕掛ける。

「この私にかなうと思って!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

カズミも同じく攻撃を仕掛ける。

「気をつけて、バラにはトゲがあるのよ。イナズマ・キィィィック!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

次々と倒れていく宇宙怪獣。

その時また艦内で警報が鳴り響いた。

タシロ艦長がいち早く応対する。

「何事だっ!?」

副長が多少青ざめた表情で応答する。

「艦長!航道11時の方角に新たな重力震を探知!!何者かが、この宙域にワープアウトしてきます!

「ぬうう、敵の増援か!?」

「ち、違います!こ、これは・・・。」

突如、目の前に何者か集団が出現した。

副長が驚いたように言った。

「あ、あれは・・・!?」

タシロ艦長が絶望したような表情で答える。

「な、何てこった・・・。奴らまで現れるとは・・・!」

オオタも驚きに満ちた表情で言った。

「あれはエアロゲイター・・・。何故、奴らがこんな宙域に・・・?」

副長が声を発する。

「まさに前門の虎、後門の狼・・・。進退窮まったようですな・・・。」

「ぐぐぐ・・・。我々がここで敗北すれば・・・奴らへの対抗手段はSDF-1マクロスを残すのみ、か・・・。」

タシロ艦長は何事か決心をしたようであった。

「・・・・・・・・・。副長!本艦の縮退炉の出力を臨界まで上げておけ。」

「か、艦長・・・。」

「いざとなれば、本艦を奴らにぶつけるまでだ!」

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