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「ブライト艦長!状況は多勢に無勢、しかも敵は識別不可のモビルスーツだ。こりゃあ分が悪いぜ。」

ここ、ホワイトベースではスレッガーとブライトが現在陥っている危機から脱出する方法について、話し合っていた。

「この艦にはグリーンノア2の民間人が乗っている。救援が来るまで何とか時間を稼いでくれ!」

「救援?ティターンズが俺達を助けに来てくれるのかよ!?しかし、あいつらは何だ?連邦軍でもジオン軍でもないようだが・・・。」

スレッガーは首を傾げた。

(・・・まさかとは思うが・・・グリーンノア2の情報を持つ我々を抹殺するつもりなのか!?)

ブライトは冷静に状況を分析しようとしていた。

「このメッサーラのテストには丁度いい相手だと思ったのだがな・・・。今のホワイトベースに、ガンダムやニュータイプのアムロ=レイは存在しないのか。」

ホワイトベースに接近していたメッサーラの搭乗者、シロッコががっかりしたように言った。

「ならば、余計な回り道をせず、さっさとティターンズに接触すれば良かったか・・・。」

その時彼は、何かを感じて動きを止めた。

「む・・・何だ?この不愉快な感覚は・・・?」

その時、アーガマが姿を現した。

「あの戦艦は・・・どこの所属だ?」

ブライトは自分の中の記憶を探ったが、思い当たるような物はなかった。

「間に合ったか!こちらはアーガマだ。今より貴艦を救助する!」

ヘンケンがホワイトベースに向けて通信を入れた。

(アーガマ?そんな名前の戦艦は聞いたことがないぞ。)

「例の連中ではなかったか・・・。だが、見慣れんモビルスーツだな。ジオン軍でも、連邦軍でもない。それに何だ・・・。このプレッシャーは・・・?」

クワトロは、メッサーラから何かとてつもない力を感じていた。

「モビルスーツ隊、出撃!ホワイトベースを援護しろ!」

ヘンケンの命を受けて、総員出撃する。

「フン、エゥーゴとかいう連中か。それに、このプレッシャー・・・。面白い。」

対するシロッコもクワトロ同様、相手からただならぬ気配を感じていた。

「ほう・・・あの機体は報告にあったヒュッケバインか。フッ、ようやく地球圏でもEOTが使えるようになったか。」

シロッコはどこか嬉しそうな表情を浮かべると、機体を発進させた。

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