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「私の期待しすぎかな。カミーユ君とリョウト君をニュータイプと思いたい。」

ブレックスが言った。

「クワトロ大尉はどう思う?」

ヘンケンがクワトロに尋ねた。

「・・・ニュータイプはエスパーではありません。ですから、目に見えて違う所はありませんが・・・。あの2人に資質は感じます。」

「そう思う。大事にしてやってくれ。」

ブレックスがクワトロに向かって言った。

「・・・はい。」

ピーッ、ピーッ。

その時突然、警報が鳴り響いた。

「ヘンケン艦長。至急ブリッジに上がって下さい。」

トーレスが叫んだ。

「どうした?」

「救難信号をキャッチしました!」

「発信源は?」

「待って下さい。今、調べています・・・。これは・・・連邦軍の強襲揚陸艦、ホワイトベースです!識別不可能の敵に襲われているようです!」

「ホワイトベース・・・?」

カミーユがその名にいち早く反応した。

「識別不可能の敵とは穏やかではないな・・・!」

ブレックスが緊張した面持ちで言った。

「ホワイトベースということは・・・もしかしてブライトキャプテンが!?」

カミーユが呟いた。

「ヘンケン艦長、救助に向かおう。識別不可能の敵というのも気になる。もしかすると・・・例の連中かもしれない。」

クワトロの声にヘンケンは素早く命令を下した。

「よし、総員第1種戦闘配置!!」

辺りに再び警報が鳴り響いた。

「俺も出撃します!ブライトキャプテンを見殺しにするわけにはいきません!」

カミーユが言った。

「出てくれるのなら、助かるが・・・いいのか?」

ヘンケンがカミーユに念を押した。

(・・・どうしてだろう・・・何か、嫌な予感がする・・・。)

リョウトは何やら胸騒ぎがしてならなかった。

(・・・・・・・・・。)

しばらく考え込んでいたリョウトはやがて決意した。

「ヘンケン艦長。僕も出撃します!戦力は少しでもあった方がいいんでしょう!!」

「・・・了解した。頼むぞ。」

「はい。行こう、リョウト!」

カミーユがリョウトに向かって言った。

「クワトロ大尉、あの2人を頼む。」

ブレックスがクワトロに向けて言葉を掛ける。

「了解です。」

クワトロは言葉を返した。

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