◆19◆
「私の期待しすぎかな。カミーユ君とリョウト君をニュータイプと思いたい。」 ブレックスが言った。 「クワトロ大尉はどう思う?」 ヘンケンがクワトロに尋ねた。 「・・・ニュータイプはエスパーではありません。ですから、目に見えて違う所はありませんが・・・。あの2人に資質は感じます。」 「そう思う。大事にしてやってくれ。」 ブレックスがクワトロに向かって言った。 「・・・はい。」 ピーッ、ピーッ。 その時突然、警報が鳴り響いた。 「ヘンケン艦長。至急ブリッジに上がって下さい。」 トーレスが叫んだ。 「どうした?」 「救難信号をキャッチしました!」 「発信源は?」 「待って下さい。今、調べています・・・。これは・・・連邦軍の強襲揚陸艦、ホワイトベースです!識別不可能の敵に襲われているようです!」 「ホワイトベース・・・?」 カミーユがその名にいち早く反応した。 「識別不可能の敵とは穏やかではないな・・・!」 ブレックスが緊張した面持ちで言った。 「ホワイトベースということは・・・もしかしてブライトキャプテンが!?」 カミーユが呟いた。 「ヘンケン艦長、救助に向かおう。識別不可能の敵というのも気になる。もしかすると・・・例の連中かもしれない。」 クワトロの声にヘンケンは素早く命令を下した。 「よし、総員第1種戦闘配置!!」 辺りに再び警報が鳴り響いた。 「俺も出撃します!ブライトキャプテンを見殺しにするわけにはいきません!」 カミーユが言った。 「出てくれるのなら、助かるが・・・いいのか?」 ヘンケンがカミーユに念を押した。 (・・・どうしてだろう・・・何か、嫌な予感がする・・・。) リョウトは何やら胸騒ぎがしてならなかった。 (・・・・・・・・・。) しばらく考え込んでいたリョウトはやがて決意した。 「ヘンケン艦長。僕も出撃します!戦力は少しでもあった方がいいんでしょう!!」 「・・・了解した。頼むぞ。」 「はい。行こう、リョウト!」 カミーユがリョウトに向かって言った。 「クワトロ大尉、あの2人を頼む。」 ブレックスがクワトロに向けて言葉を掛ける。 「了解です。」 クワトロは言葉を返した。 |