第4話

アリアハンに夜の帳が訪れていた。

一人の兵士が場内へと入って行く。
兵士はそのまま王の元へと向かった。
「遅かったな。して、どうであった?」
「はっ・・・。申し訳ありません。火山の頂上には我々ではとても辿り着けず・・・。オルテガ殿のご遺品は全く見つけられませんでした。」
「そうか・・・・・・。しかしオルテガ殿ほどの者がやられるとは。ご家族にも何とお詫びを申し上げれば良いのか・・・。」
王は玉座から立ち上がり、エレンとアルスの元へと歩み寄った。
「オルテガ殿の奥方。誠に申し訳ない・・・。」
「有り難うございます、王様。私も覚悟はできておりました。それに夫は立派に戦いました。きっと本望だと思います。」
「しかし、実に惜しい命を無くしたものだ。もはや魔王に挑めるような者はおらぬ。我々にはもう希望はないのか・・・。」
しかしエレンの瞳は輝きに満ちていた。
「いいえ、王様。この子がいます。オルテガの血を引くアルスが。夫の遺志は、きっとこの子が継いでみせますわ!」
息子のアルスは母親の言葉を胸に、決意に満ちた表情で立ちつくしていた。

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