第5話

-アルスの旅立ち-

アルスは見知らぬ森の中にいた。
(ここは一体?)
(とにかくこの森から出なければ・・・。)
アルスは光が射している方向へ向かって歩き出した。

森から出ると、切り立った崖になっていた。
アルスは崖の上から、目の前の滝を眺めた。
滝は陽光を受けて輝いている。
突然、どこかから声が響いてきた。
それは全てを包み込むような優しい声であった。
「アルス・・・・・・、アルス・・・・・・、私の声が聞こえますね・・・。
私は全てを司る者。あなたはやがて真の勇者として私の前に現れることでしょう・・・。
しかしその前に、この私に教えて欲しいのです。あなたがどういう人なのかを・・・・・・。
さあ、私の質問に正直に答えるのです。用意はいいですか?」
「はい。」
アルスは迷うことなく答えた。
優し気な声は続けて語りかけてきた。

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