第6話

「まずあなたの真の名前を教えて下さい。」
「アルス・カナンと申します。」
「では、生まれた日を教えて下さい。」
「10月18日生まれです。」
「アルス・カナン、10月18日生まれ、天秤座、これでいいですか?」
「はい。間違いありません。」
「ではアルス・カナン、私はこれからいくつかの質問をします。難しく考えず、素直な気持ちで答えて下さい。そうすれば、私はあなたを更に知ることになるでしょう。さあ、始めましょう。」
「はい。」
「あなたにとって太陽とは自然の王様ですか?」
「はい、そうだと思います。」
「よく夢を見る方ですか?」
「はい、よく見ます。」
「では、誰かに追いかけられる夢を見ることがありますか?」
「はい。何者かに追われる夢を時々見ることがあります。」
「あまり知らない人といるのは疲れますか?」
「はい。」
「占いを信じる方ですか?」
「いいえ。興味はありますがあまり信じない方です。」
「身体を動かすのは好きですか?」
「はい、好きです。」
「少しのことでも、すぐにイライラしてしまう方ですか?」
「そうかもしれません。」
「何か思い立ったら、すぐにやってみる方ですか?」
「はい、忘れないうちに。」
「自分が正しいと思ったことは、どんなことがあっても貫く自信がありますか?」
「いえ、どんなことがあってもというのは疑問です。」
「ひとつのことを始めると、周りが見えなくなることがよくありますか?」
「はい、そのことに集中してしまうかもしれません。」
「食事の時、1番好きな物は最後まで残るように考えながら食べますか?」
「はい。嫌いな物を先に食べてしまうようにしています。」
「世の中には、楽しいことよりも悲しいことの方が多いと思いますか?」
「はい、残念ながらそうだと思います。」
「そうですか・・・・・・。これであなたのことが少しは分かりました。では、これが最後の質問です。」
その言葉と共に、アルスはいつの間にか森の中に独りぽつんと取り残されていた。

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