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(いよいよ今日だ。)
実を言うと、ルークは興奮のあまり昨晩は寝付けなかった。
しかし不思議と眠くはなかった。
それだけ今日の試験に対する期待と不安が大きかったのであろう。
ルークは4時前から竜騎士隊の門の前に並んでいた。
さすがにまだ誰も来てはいなかった。
(そういえば、このお守りについている鱗みたいなの、まるであの竜みたいな色だな。)
まだ星の瞬いている空に向かってお守りをかざしながら、ルークは思った。
(母さん、元気かな?)
ふと、家に残された母親のことを考えた。
物心ついた時には既に父親のいなかったルークを、母親は女手ひとつで育ててくれた。
普通なら気の弱い女の子のように育ってもおかしくはなかったが、ルークの母は父親としての役割も立派に果たしてくれていたようだった。
こうしてルークは、素直で真っ直ぐな心を持った、心優しいが芯の強い少年に成長したのである。

辺りが明るくなってくると、続々と入隊試験を受ける少年達が集まって来た。
入隊資格には、家柄など関係ない。
とにかく実力主義であった。
さすがに年齢制限はあったものの、ルークにとって幸いなことに身長制限はなかった。
入隊する資格があるのは、14歳から18歳までの男子であった。
実際、竜騎士隊には60歳にもなるベテランがいたが、入隊することができるのは、若いうちだけである。
それ以上の年齢になると、いろいろな知識や技術を身につけるのに苦労を要するからであった。

目の前の大きくて立派な門が開かれた。
それまで賑やかに話をしていた者達も、一斉に口を閉じた。
「これよりラスティア竜騎士隊入隊試験の受付を始めます。それぞれ受付番号を手渡すので、無くさないようにして下さい。」
ルークは1番の札を受け取ると、係の者に案内され、試験会場へとやって来た。
「試験は第1次から第4次までの試験と、最終試験とに分かれています。それぞれの試験で規定に満たない者は、遠慮なく選考対象から外しますので、ご了承願います。」
(やっぱり厳しそうだなあ。)
ルークは受付番号1番から50番までのグループであった。
周りを見回すと、やはり大柄な人間が多かった。

「それでは第1次試験を始めます。」
1次試験は意外なことに、筆記試験であった。
竜騎士は国の平和を守る騎士。
やはり生半可な知識ではやってはいけないということなのであろう。
試験問題は一般常識と、竜に対する基礎知識、そして騎士道に関する問題だった。
ルークは本を読むことが好きであったし、幼い頃から憧れていた竜や騎士に関する知識はもちろん持ち合わせていた。
「番号を呼ばれたものは、前に進むように・・・。」
「1番・・・6番・・・18番・・・」
(やったあ!)
番号を呼ばれたルークはほっと胸をなでおろした。
ルーク達のグループで1次試験を通過したものは、20人ほどであった。

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