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3次試験は剣や槍を使った実技試験だった。 くじ引きで対戦相手が決められ、1人5戦ずつ戦うことになった。 この試験では勝ち負けよりも、いかにして戦うか、武器をうまく扱えるか、などが選考の基準となっていた。 「これは・・・。」 ルークの戦いぶりを見ていた竜騎士隊隊長の1人が感心したように言った。 「小柄ながら、自らの長所を活かしてうまく立ち回っているな。」 「そのようですね、ラッド殿。」 別の隊長が相槌を打つ。 「何よりもあの目がいい。」 「・・・目、ですか?」 「ああ。ああいう目をした若者は良い騎士になるだろう。是非とも育ててみたいものだ。」 小柄なルークを見て、相手も油断していたのだろう。 思ったよりも楽に勝利することができた。 小柄なことは確かに不利ではあるが、敵の油断を誘うという点では、意外と長所でもあるのかもしれなかった。 さすがに最後の相手には思い切り跳ね飛ばされたが、それでもルークはひるむ様子を見せなかった。 「そこまで!」 「はあ・・はあ・・・。どうもありがとうございましたっ!」 乱れた息を整えると、ルークは他のメンバーの試合に目をやった。 こうして客観的に見ていると、いろいろな性格が見えてくる。 ただただ力任せに攻撃する者、相手の調子を狂わせて変則的に攻撃を仕掛ける者、冷静に状況を見極める者と様々だ。 (へえ、面白いな。) これまで1人で鍛錬を積んできたルークにとって、人間同士の駆け引きを見ることは楽しかったし、何よりも勉強になった。 他人の試合を見ている間も、ルークは乾いた大地に水が染み込むように、多くのことを吸収していった。 「それでは第3次試験合格者の発表を行います。」 「1番・・・18番・・・32番・・・45番・・・49番・・・以上です。」 (やったのか!) 何と、まだ3次予選であるというのに、ルークのいるグループは既に10分の1にまで人数が減っていた。 |