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「続いて第4次試験の概要について説明します。」
もう既に夕方だというのに、今日行おうというのであろうか?
「皆さんにはこれまで知識、体力、技術の面から試験を受けていただきましたが、ここで、竜騎士にとって何よりも大切なことを学んでいただこうと思います。」
「学ぶだって?」
「試験じゃないのか?」
「静粛に!」
試験官の声に、皆静まり返った。
「竜騎士を目指す者にとって必要なもの、それは竜です。竜がいなければ竜騎士とは言えません。」
(それはそうだよな。)
その言葉にルークは頷いていた。
「そこで、皆さんには1週間の猶予を与えたいと思います。その1週間の間に、自分自身のパートナーである竜を探し出し、連れて来て下さい。」
辺りがざわめいた。
「何だって?」
「竜騎士でもないのに、そんなことできるわけないじゃないか!」
「竜騎士ではないから竜を連れて来ることはできない?そのような心構えでは、この先とても竜騎士としてやっていけるとは思えません。」
「・・・・・・。」
その言葉に、文句を言っていた若者達は言葉を失った。
「1週間ですね?精一杯頑張らせていただきます!」
ルークただ1人が、輝く瞳でこう答えた。

「無理に決まっているじゃないか。どうかしているんじゃないか?あの試験官。」
「そうだよな。あのチビ、おかしいんじゃないか?」
試験会場から立ち去った若者達は、まだ興奮冷めやらぬ様子であった。

「あの少年。いい素質を持っているようだ。どんな結果が出るか楽しみだな。」
第5竜騎士隊隊長のラッドが呟いた。
「皆あのように文句を言っておりますが、形式上あのような難題を出しただけのこと。いかにして竜を探し出そうとするのか、その過程を見るだけだというのに・・・。」
「そうだな。まあ、1週間後を楽しみにしていよう。」

他の少年達が途方に暮れている中、ルークは1人、期待に胸を膨らませていた。
(竜って言ったらやっぱりあの竜だよな。僕はあの時約束を破ってしまったけど、もう一度会いに行ってみよう。)
ルークの脳裏に浮かんだのは、幼き日に命を救われたあのサファイア色の竜の姿であった。

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