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遅すぎた到着

オーシンは見知った後ろ姿を見つけて声を掛けた。
オーシン 「おい、タニアじゃねぇか。何やってんだ?」
タニア 「オーシン!?見て分かんないの?わざわざ助けに来てあげたんじゃないのよ。」
オーシン 「『助けに来た』だぁ?お前に助けられるほど俺たちゃ情けなくねぇよ。さ、ガキはおウチに帰った、帰った。」
タニア 「ガ、ガキですってぇ!ガキはあんたの方じゃない!!言われなくったって帰るわよ。誰が好き好んでこんな所に来るもんですか、馬鹿!」
そう言うとタニアはプンプンと怒りながら立ち去って行ってしまった。
フィン 「これは預かっておきます。」
フィンは捕らえたワイズマンからロングソードを取り上げた。
リーフ 「フィン、彼を逃がしてやってくれ。」
フィン 「しかし、リーフ様。」
リーフ 「いいんだ。」
フィン 「・・・はい。」
ワイズマン 「くっ、くそっ。お、覚えとけよ!」
ワイズマンは捨て台詞を残すと、慌てて逃げ出して行った。
フィン 「エーヴェル、これは君が持っているといい。」
フィンはエーヴェルにロングソードを手渡した。
エーヴェル 「ありがとう、フィン。では私からはこれを・・・。」
フィン 「手槍か。助かる。」
リーフ 「そうだ。ナンナとマリータは・・・。ナンナ!マリータ!何処にいる!返事をしてくれ!!」
エーヴェル 「二人はレイドリック男爵に連れ去られたようです。」
リーフ 「何だって!?ではマンスターに?」
エーヴェル 「多分、人質とするつもりなのでしょう。レイドリックが考えそうなこと・・・・・。」
リーフ 「くっ・・・。エーヴェル、後を追おう。二人を助けよう!」
エーヴェル 「ですが、リーフ様は・・・。」
リーフ 「二人は僕の身代わりになって捕らえられたんだ、エーヴェル。僕はもう子どもじゃない。誰かを犠牲にして生きるのは嫌なんだ!」
エーヴェル 「・・・分かりました。では明朝、出発しましょう。苦しい旅になります。今夜はゆっくりお休み下さい。」
リーフ 「ナンナ・・・。マリータ・・・。」

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