盗賊のほこら
「このほこらには盗賊が住んでいるらしい。」
「行ってみようぜ。盗賊達をやっつけてやろう。」
「このまま放っておいても、被害が広がるだけだろうな。」
「そうだな。ここは盗賊達を叩いておいた方がいいだろう。」
「・・・分かりました。ルカがそう言うのなら。」
気が進まなかったものの、僕は皆の意見に従うことにした。
「く、暗くてじめじめしてるよー。」
ほこらの奥の方へと進んで行くと突如、盗賊達が襲いかかってきた。
「なんだあ、貴様らあ!」
「くっそう!たあっ!」
「う、うわあーっ。」
「なんだ、見た目よりもすばしこいな。」
「くっ!たあっ!」
グレイは必殺の一撃を繰り出した。
「ぐっ!」
盗賊が倒れる。
「くそーっ、よくも!」
「だあーっ!」
「やあっ。」
僕も盗賊に斬りかかった。
「青二才があっ!」
盗賊の攻撃を反射的にかわし、再度攻撃を仕掛ける。
僕もほとんど反射的に、斬りかかって来た盗賊を倒す。
「やあっ。」
「ふん、甘いな!」
「そらっ。」
盗賊も必死で反撃してくる。
「たあっ。」
盗賊が次々と倒れて行く。
「はあ、はあ・・・。」
「これで完全に撃破したようだな。」
今の戦闘でロビンとグレイはクラスチェンジ可能になった。
「ロビン、グレイ、これでクラスチェンジができるぞ。」
「やったあ。」
「これで少しは役に立てるようになるな。」
「奥へ行ってみよう。」
奥へ進んで行くと、シスターらしい女性が縄で縛られていた。
「ひどい事を・・・。」
「大丈夫ですか?シスター。盗賊達は私達が倒しました。もう安心です。」
「助けて頂いてありがとうございます。私はシルク。ミラの女神に仕えるシスターです。盗賊達に捕らえられ、このほこらに連れて来られたの。どうか私をここから連れ出して下さい。見たところ、あなた方は旅を続けておられるようですね。私ならきっとお役に立てると思うのですが・・・。」
「でも僕達はドゼー将軍を倒すべく、危険な旅を続けているのです。あなたを安全な所へお連れしたら、僕達だけで旅を続けるつもりです。」
「でも、あなた方だけでは体力を回復する者がいません。それこそ危険ですわ。」
「せっかくこう言ってくれているんだから、一緒に連れて行こうよ。」
「宜しいのですか?」
「ええ、私も世界の平和を願っています。世の人々のお役に立てるのでしたら、喜んでお供致します。」
この日、僕達にとって大変心強いシスター、シルクが仲間に加わった。
「おい、アルム、見てみろよー。井戸があるよ!」
「これは正しき心を持つ者に力を与えてくれる井戸です。でもその井戸は、数回水を飲んだだけで枯れてしまうと言われています。」
「俺、飲んでみようかなー?」
クリフは素早さの水を飲んだ。
「シルクはこちらの水を飲んだ方が良いのでは?こちらは体力の水のようだ。」
「では、お言葉に甘えて・・・。」
シルクは体力の水を飲んだ。
「もう少し飲んでみてもいいかなー?あれ?井戸が枯れちゃったぞ。」
「聖なる井戸はその力を失ってしまったのでしょう。」
「これは・・・。女神像?」
「そのようだな。資格のある者はクラスチェンジができるはずだ。」
「へえー。綺麗な像だなあ。うわっ!」
ロビンが女神像に触れると、女神像は美しい声で言葉を紡ぎだした。
「我は女神の僕。我が主ミラの命により、資格ある者に力を与えましょう。ロビンはアーチャーになることを望みますか?」
「は、はい。」
「ロビンはアーチャーになることを許されました。」
「やったあ!」
「グレイは傭兵になることを望みますか?」
「はい。」
「グレイは傭兵になることを許されました。」
「ありがとうございます。」
こうしてロビンとグレイはクラスチェンジを済ませたのだった。