ソフィアへ
「ドゼーは北の大国、リゲルに援助を頼んだそうだ。リゲルの騎士団の強さは、ソフィアとは比較にならない。もしリゲル王国が動けば、俺達に勝ち目はないぜ。」
解放軍のフォルスが状況を説明してくれた。
まさか、そんなことが・・・。
僕は思わず聞き返していた。
「でもソフィアとリゲルは[神々の盟約]によって、戦えないはずだろ。ソフィアの守護神であるミラ様が、そんなこと許されないはずだ。」
「ところがさ・・・噂じゃそのミラ様が消えたらしい。」
え?
「おいおい、そんなに驚くなよ。だって最近、何か変だろ。」
僕はよっぽど驚いた顔をしていたのか、フォルスはこう言葉を続けた。
「このところ作物は実らないし、変な魔物ばかりが出てくる。大地を守るミラ様の力が衰えたとしか、考えられないよ。まあこの噂がほんとかどうか、ミラの神殿に行けば分かるさ。俺も一緒に連れて行ってくれるな?」
こうしてソルジャーのフォルスも仲間に加わることになった。
「出発する前に、この水を飲んで行くといい。守備力の水だ。」
「だったら、シルクとクレアが飲んだ方がいいな。」
「私よりも、前線に立たれる皆さんが飲まれた方が・・・。」
「シルクだってリザイアで戦うことがあるだろう?それに君が倒れては、回復役がいなくなってしまう。」
「・・・分かりました。それでは頂きます。」
「ありがとう、アルム。」
「あと1人くらい飲めそうだね。」
「クリフが飲むのが妥当じゃないか?」
「えっ?俺も飲んでいいの?やったあ!うーん、うまい。」
「あっ。」
「枯れてしまったみたいだな。」
「クレーベさん、これはミラ様の像ですよね?」
僕は壁際に立っている美しい像を見ながら言った。
「クレーベでいいよ、アルム。クラスチェンジの資格がある者は、クラスチェンジをするといい。」
「クリフならできるんじゃないか?」
「俺もようやくクラスチェンジかあ。ドキドキするなあ。」
「我々には魔導師がいないから、魔道士になってくれると助かるんだが。」
「うん、分かったよ。俺、魔道士になる。」
クリフが魔道士にクラスチェンジしたことで、ファイアーの魔法を使うことができるようになった。
これからの戦いでは大いに役に立ってくれるに違いない。
「それでは出発しようか。」
「はい。」
僕達が解放軍のアジトを出発しようとすると、先程入り口を守っていたアーチャーがこう尋ねてきた。
「あれ、みんな一緒にどこへ行くんだ?」
「これからソフィア城へ向かう。彼らが仲間になってくれた。これからは彼、アルムが我々解放軍のリーダーだ。」
「何?ついにソフィア城に進撃するのか。それなら俺も行く。ソフィア解放を目指して頑張ろうぜ。しかし、ドゼーの部隊は強力だからな。特に、親衛隊長のスレイダーには気を付けないと危険だよ。」
こうしてアーチャーのパイソンも僕達に同行することになった。
僕達はソフィアの南から、ソフィアの門を目指すことにした。
continue?