[ファイアーエムブレム 聖戦の系譜TOPへ]

BackNext

序章

ヴェルダンの王子、ガンドルフの軍によって、ユングヴィ城は完全に包囲されていた。
ミデェール 「エーディン様、敵に城を包囲されました。姫様をお守りすべき我々が、ふがいないばかりに・・・。」
エーディン 「良いのです、ミデェール。・・・・・皆よく戦ってくれました。私のことは、もういいのです。今は一人でも多く、生き延びて下さい。」
ミデェール 「いいえ、エーディン様。皆、最後まで姫様をお守りする覚悟です。命に変えても、お守り致します。」
エーディン 「ありがとう、ミデェール。・・・・・ごめんなさい。」

シアルフィではシグルド公子が、ユングヴィの危機を憂えていた。
シグルド 「ユングヴィの城がガンドルフ軍に包囲された。このままではエーディンが危ない。ノイッシュ、私は彼女を助けに行く。後の事は頼んだぞ!」
ノイッシュ 「待って下さい、シグルド様。まさか一人で行かれるつもりでは?」
シグルド 「我が軍の主力は父上と共にイザークへ遠征して、ここに残っている者はわずかしかいない。ヴェルダン軍は蛮族とはいえ、大軍だ。死ぬことが分かっている戦いにお前達を巻き込めない。」
ノイッシュ 「バカなことを言わないで下さい。騎士として生まれた以上、戦いで死ぬのは当たり前。主君一人を死なせておめおめと生きてはおれません。私達も共に参ります。アレク、お前も同じ考えだろ。」
アレク 「ああ、もちろんだ。しかしユングヴィの城も大事だが、村を助けるのが先じゃないのかな。蛮族共は行く先々の村を襲って奪い、殺し、焼き尽くしているという。手遅れにならないうちに村々を回って、守りを固めるように言わなければならないだろ。」
シグルド 「確かにそうだ。民を守ることは我々騎士の義務だ。アレク、よく言ってくれた。」
アレク 「いや、本当はオイフェの意見なんです。さすがは名軍師と言われたスサール卿の孫、まだ子供なのにいろんな事に良く気が付きます。」
シグルド 「オイフェが王宮に来ているのか?オイフェ、いるなら来なさい。」
オイフェ 「シグルド様、勝手に来てごめんなさい。でも出撃されるなら、僕も一緒に連れて行って下さい。城で留守番なんて嫌です。」
シグルド 「しかし、お前はまだ子供だ。大丈夫なのか。」
オイフェ 「僕も、もう十四才になりました。まだ戦うことはできませんが、シグルド様のお世話くらいならできます。お願いです。どうか、お側に置いて下さい。」
シグルド 「分かったよ、オイフェ。お前が騎士見習いとして私の所に来てから、もう二年になる。そろそろ戦場を経験するのも悪くはないだろう。ただし、戦うのはまだ早い。しばらくは私の側にいて、相談相手になってくれ。」
オイフェ 「はい!ありがとうございます。」
ノイッシュ 「シグルド様、この城の守りはどうしますか?誰か一人は守備に上がらないと危険です。もし本拠地であるこの城が敵に奪われたら、我らは全滅します。」
アレク 「ノイッシュ、城の守りならコイツしかいないぜ!なっ、アーダン!」
アーダン 「アレクっ、何で俺なんだよ。」
アレク 「固い、強い、遅い!三拍子揃ってるのは、お前しかいないだろう。」
アーダン 「固い、強いってのはいいけど、遅いってのは気にいらねぇな。」
シグルド 「いや、アーダン、私からも頼む。城の守りを任せられるのはお前だけだ。」
アーダン 「はぁ、分かりました。そんなら、取りあえず守備に上がります。でもたまには、私も出陣させて下さいよ。」
シグルド 「よし、それでは行こう。取りあえず村を助ける。そしてユングヴィへ!」
こうして大陸全土を巻き込んだ戦いの幕が切って落とされたのである。

BackNext


[ファイアーエムブレム 聖戦の系譜TOPへ]