レックス
村を救うべくアレクは急いで馬を走らせた。 おばさん 「この地を治めるシアルフィ公爵家は、代々、剣の使い手として有名なんだよ。何しろ、光神バルドの血を引いておられるからね。ヴェルダンの蛮族なんて、バイロン様の聖剣ティルフィングさえあればあっという間にやっつけれられるのにねぇ。」 アレク 「大丈夫さ。バイロン様のご子息のシグルド様がいらしているからな。」 おばさん 「本当かい?それは安心だよ。」 アゼルも村の1つを訪れていた。 老人 「このユングヴィは、弓にたけた家柄。公爵家の方々は、弓神ウルの子孫じゃ。リング公爵には双子の姉妹とその下に男の子がいたが、双子の姉の方は幼い時に海賊にさらわれて今も行方不明だと言う。エーディン様の弟君のアンドレイ様は父君リング公爵と共に遠征中だが、あまり良い噂は聞かんのぉ。親子の関係も冷めているらしいぞ・・・。」 アゼル (エーディン・・・どうか無事で・・・。) レックスはようやくシグルドの元に追いついた。 レックス 「シグルド公子、久しぶりです。」 シグルド 「レックス!君も応援に来てくれたのか。」 レックス 「アゼルに無理矢理連れて来られましてね。全く、いい迷惑ですよ。」 シグルド 「はは、相変わらず口の悪い奴だな。でも、お父上のランゴバルト卿はこの事を知っておられるのかい?」 レックス 「まさか、あなたの父上を目の敵にしてるオヤジが、シアルフィを助ける事など許すはずがないでしょう。俺が勝手に来たんです。誤解のないように言っときますが、あんたの為じゃないですよ。親友のアゼルが頼むから俺は来たんだ。」 シグルド 「ふっ、これは手厳しいな。・・・でも感謝するよ。本当にありがとう。」 レックス 「・・・まあ、できるだけの事はしますよ。ヴェルダンの蛮族なんぞに勝手な真似はさせられませんからね。」 口の悪さは相変わらずのレックスであったが、彼が加わったことによりシアルフィ軍は活気付いていた。