SeeD選考実地試験

カー内
ゼル 「な、スコール。ガンブレード、見せてくれよ」
スコール 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
スコールは無言で下を向いたまま。
ゼル 「いいじゃねっかよー!」
スコール 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゼル 「な、ちょっとでいいから!」
スコール 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゼル 「わかったよ」
「はいはい」
「おまえはケチな奴。そういうことでいいんだな」
スコール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゼル 「なんとか言えよ!な?なにを考えてるんだ?」
スコール 「・・・・・・べつに」
キスティス 「・・・・・・べつに」
ゼル 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゼルは立ち上がってシャドウボクシングを始める。
サイファー 「ウザイんだよ」
ゼルは手を止めてサイファーに向かう。
サイファー 「・・・・・・チキン野郎」
ゼル 「あ・ん・だ・と?」
サイファー 「ククク・・・・・・」
キスティスが立ち上がる。
キスティス 「いい加減にしなさい!」
ゼルは再び座る。
キスティスも座る。
スコール 「・・・・・・先生」
「今朝、保健室にいた女子は誰だ?」
キスティス 「誰かいたの?気づかなかったけど」
「なにか問題あり?」
スコール 「いや、べつに・・・・・・」
スコールは再び下を向く。
サイファー 「・・・・・・最高だ」
サイファーはおかしそうに笑っている。
サイファー 「俺のチームはチキン野郎と色気づいた兄ちゃんか」
ゼルは怒りをあらわに拳をふるわせている。
キスティスは頭を抱える

カーは目的地へと進んで行く。
目的の町へと到着し、サイファーとスコールはカーを降りる。
スコール 「あの船か・・・・・・」
サイファー 「もう後戻りは出来ないぜ」
「ん?おまえも、ビビってるのか?」
ガーデン・スタッフ 「おい!おまえたちが最後だ!早く船に乗りなさい!」
サイファー 「俺を、ガッカリさせないでくれ」
キスティスがカーを降りる。
キスティス 「ほら、駆け足!」
ゼルもカーを降り、皆、急いで走って行く。
サイファーは先に船の方へと向かう。
スコールが立ち止まる。
キスティス 「急いで、スコール!」
ガーデン・スタッフ 「船に乗りなさい!駆け足!」
サイファーとゼルが船に乗り込む。
ガーデン・スタッフ 「どこへ行くつもりだ?」
キスティス 「ほら、早くあの船に乗りなさい!」
ガーデン・スタッフ 「問題のB班だな。・・・・・・教官が若すぎるのも問題だ」
スコールもようやく船に乗り込む。
船が出航する。

船内
シュウ 「やあ、キスティス」
キスティス 「これが今回のB班のメンバー。よろしくね、シュウ」
スコールが顔を上げて立ち上がる。
ゼルも立ち上がる。
サイファーは座ったまま。
ゼル 「よろしくお願いします!」
スコール 「・・・・・・よろしくお願いします」
シュウ 「サイファー、何度目?」
サイファー 「俺は試験が好きなんだ」
シュウ 「状況および任務の説明を始める」
「着席!」
スコールとゼルが着席する。
シュウ 「本件のクライアントはドール公国議会」
「SeeD派遣の要請があったのは18時間前だ」
目の前のパネルに状況が映し出されている。
シュウ 「ドール公国は72時間ほど前からガ軍の攻撃を受けている」
「開戦から49時間後 ドール公国は市街区域を放棄」
「現在は周辺の山間部に待避し部隊の再編を急いでいる」
「以上が現在の状況だ」
「次に具体的な任務と作戦の説明に入る」
「報告によるとガ軍は周辺山間部のドール軍排除作戦を展開中」
「我々はルプタン・ビーチから上陸」
「市街地に残るガ軍を排除しつつ速やかに市街地を解放する」
「その後、我々SeeDは山間部から戻るであろうガ軍を市街地周辺部にて迎撃のため待機する」
サイファー 「俺たちは何をするんだ?」
シュウ 「君たちSeeD候補生には市街地に入り込んだガ軍を排除してもらう」
ゼル 「責任重大だ!」
サイファー 「楽しくないな」
「ようするに、SeeDの連中のおこぼれちょうだいだろ?」
シュウ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ああ、言うまでもないことだが・・・・・・」
「撤退の命令は絶対だ。これは忘れるな」
「まもなく上陸だ」
「下船直後から戦闘が予想される。準備おこたりなく、だな」
「以上だ」
「何か質問のある者はキスティスに聞くように」
キスティス 「間もなく上陸よ。それぞれ準備して」
スコール 「了解」
ゼル 「了解」
サイファー 「りょーかい」
「さて、スコール。おまえ、外の様子を見てこい」
スコール 「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・了解」
サイファー 「当然だな。班長命令だからな」
サイファーがおかしそうに笑う。
スコールは出て行き、地図を開いて見る。
外は激しい戦闘が続いている。
船が上陸し、皆船から下りる。

キスティス さあ、B班受け持ち地域は中央広場よ!」
「かならず、戦闘前にG.F.の装備を確認してから行くように!」
サイファー 「行くぞ」
サイファーが走り出す。
スコールとゼルも続いて走り出す。
A班の男子生徒1 「ここはA班の担当だ。まかせてくれ!」
A班の女生徒 「敵、いないみたいだね〜」
A班の男子生徒2 「私語は禁止だろ?減点されるから話しかけんなよ!」
更に進んで行くと、目の前に兵士が立ちふさがる。
ガルバディア兵 「こいつらがドールの援軍だというのか?」
スコール達はガルバディア兵を倒す。
A班の生徒が後から走って来る。
A班の女生徒 「やっぱり、敵いたね〜。A班の担当は情報収集だから〜 敵の相手は、よろしくぅ〜」
A班の男子生徒1 「情報ネットワークシステムで常に最新の情報を手に入れること!」
A班の男子生徒2 「これが電波を使えない俺たちの時代の戦術ってわけだ」
A班の男子生徒1 「だから、あんたたちB班と違って俺たちの任務は、頭使うんだぜ!」
スコール 「後方支援か・・・・・・退屈そうだな」
ゼル 「オレたちは最前線でヒーローになってやるぜ!」
A班の男子生徒1 「これだからイヤなんだよな。脳味噌が筋肉で出来てる奴は・・・・・・ 早く自分たちの持ち場へ行けよ!」
A班の男子生徒2 「この辺にドール公国の情報ネット用のケーブルがあるはずなんだけど・・・・・・」
スコール達は更に先へと走って行く。
サイファー 「楽しんでるか、スコール?」
ガルバディア兵が立ちふさがる。
ガルバディア兵1 「SeeDとかいう特殊部隊か?」
ガルバディア兵2 「まだガキってかんじだぜ」
ガルバディア兵1 「でも、ガーデンからきた精鋭なんだろ?」
スコール達はガルバディア兵を倒す。
サイファーが1人先へと走って行く。
スコールとゼルも走って行く。
C班の男子生徒が2人、店から出て来る。
C班の男子生徒1 「ここはC班の担当だ。あとはまかせて・・・・・・」
「・・・・・・ってほど強くないから遠慮せずに、君たち戦っていいよ」
C班の男子生徒2 「1人腹痛で帰っちゃってメンバー足りないんだよな〜」
「あっ・・・・・・いや、別にこの店で食ってたからじゃないよ」
スコール達は更に走って行く。
サイファー 「この先が中央広場だ」
「おい!ガルバディアの臆病者!」
「コソコソしないで出てこい!俺を退屈させるな!」
サイファーはそう叫ぶと走って行く。
ゼル 「・・・・・・バカだぜ、あいつ」
スコール達は走って行く。
「ガルディア兵が現れたが難なく倒す。
スコール 「まだ敵がいそうだな・・・・・・」
1匹の犬が歩いて来る。
「くぅ〜ん」
犬はサイファーを鼻先でつつく。
サイファーは嫌そうだ。
犬はそんなサイファーにはおかまいなく、嬉しそうに走り回る。
サイファー 「ぼやぼやしてないで近くに敵がいないか見て来るんだ」
右の方へ行ってみると、ガルバディア兵が現れた。
すかさず、ガルバディア兵を倒す。
スコール 「敵の気配がなくなった」
スコールは左の方も見に行こうとする。
ゼル 「この先はオレたちの担当じゃないぜ」
「担当地域から離れるのは命令違反じゃないのか?」
仕方なくサイファーの所へと戻る。
サイファー 「さて、敵さんの到着まで待機だ」
「待機・・・・・・退屈な言葉だ」
しばらくすると、遠くから砲撃音が聞こえてきた。
スコール 「始まったみたいだな」
サイファー 「歓迎してやるか」
サイファーに向かって犬が吠えながら尻尾を振る。
サイファー 「仕事の邪魔だ!」
サイファーは犬に向かって剣を振る。
サイファー 「失せろ!」
犬はサイファーから少し離れる。
サイファー 「おい!ガルバディア兵!」
「何を手こずってるんだ!早く俺のところへ来い!」
「ワン!ワンワン!」
鐘が5回鳴る。
サイファーはイライラしている。
ゼルもイライラと歩き回る。
犬は尻尾を振っている。
スコール 「・・・・・・来ないな」
ゼル 「なんてこった!」
ゼルがしゃがむ。
ゼル 「・・・・・・こりゃ、さすがに退屈だぜ」
ゼルは再び立ち上がる。
ゼル 「いいのかよ、これで!」
サイファー 「まだ、おあずけか・・・・・・」
「くうーん」
サイファー 「もう限界だ!耐えられねえ!これは犬の訓練か!?」
サイファーが大きく剣を振り下ろす。
突然、犬が何かを見つけたように走って行き、遠吠えする。
その方向にガルバディア兵達がバラバラと走って行く。
スコール 「おい・・・・・・敵だ」
ゼル 「どこ行くんだ、あいつら」
サイファーが走って行く。
ゼル 「なんだ?あの山頂の施設は?」
サイファー 「あそこへ行くぞ」
ゼル 「そりゃ命令違反だぜ!」
サイファー 「さっきまでヒマだって言ってたんじゃないのか?」
ゼル 「スコール!」
スコール 「班長の判断には従うさ」
サイファー 「何が班長の判断だ」
「おまえだって暴れたいんだろうが」
サイファーがスコールの肩に手を掛ける。
スコールはその手を振り払う。
スコール 「あんたとの訓練の成果を試すチャンスだからな」
「あんたのおかげでどんな卑怯な相手にも負ける気がしない」
サイファー 「その時は俺に感謝するんだな」
ゼル 「・・・・・・なんだよ」
「仲がいいんじゃねえか。同類だぜ、あんたたち」
「あのなあ これ、ただの戦闘じゃないんだぞ」
「大事な試験なんだ。勝手な行動はマイナスでかいぜ」
サイファー 「おまえ、ここに残れ。やる気のない奴はいらない」
犬が吠えながらぐるぐると回っている。
ゼル 「なんだと!」
ゼルが怒りでワナワナと震える。
スコール 「本気にするなよ、ゼル」
「それより、サイファー。行くなら、急ごう」
サイファー 「敵目標は山頂の施設と判明。我われB班は山頂を確保すべく移動する」
「直ちに出発だ!」
スコール 「了解」
ゼル 「チッ・・・・・・了解」
サイファーが走って行く。
スコールとゼルも後を追って走って行く。

- 完 -

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