捕虜


ラムザ達は先程捕らえた敵を縛り上げた。
ディリータは壁に寄りかかりながら、アルガスが尋問している様子を傍観している。
剣士アルガス 「お前達が骸旅団だってのは分かっているんだ。」
「侯爵様は何処だ?何処に監禁されているんだ?言えッ!!」
「さっきまで、お前達のボス、ウィーグラフがいただろ?」
「ヤツは何処へ行ったんだッ!?」
しかし捕虜は無言である。
剣士アルガス 「こ、この野郎ッ!何とか言ったらどうだ!!」
アルガスは我慢しきれなくなり、捕虜を思いきり殴る。
捕虜がくず折れる。
アルガスは容赦無く、捕虜の髪の毛を掴んで顔を上げさせた。
剣士ラムザ 「よせッ!アルガス!」
剣士アルガス 「チッ。」
「・・・いいか、よく聞け。」
「間もなく、お前ら骸旅団を皆殺しにするために、北天騎士団を中心とした大規模な作戦が実行される・・・。」
「そうだ、お前達は死ぬんだ。一人残らず地獄へ落ちるのさ。盗賊に相応しい末路だな。」
「だが、お前は幸せだ。ウィーグラフの行く先を教えれば命だけは助かるぞ。どうだ?」
骸旅団剣士 「・・・オレは知らん。」
カッときたアルガスは力を込めて捕虜を殴る。
捕虜は大きく吹っ飛んだ。
剣士アルガス 「何だとぉ!」
骸旅団剣士 「・・・貴様達貴族はいつもそうだ。オレ達を人間とは思ってない・・・。」
「五十年戦争で・・・。この国のために・・・命を賭けて戦ったオレ達を・・・用済みになると切り捨てた・・・・・・。」
「オレ達と貴様ら貴族にどんな違いがあると言うんだ・・・?生まれ?家柄?身分って何だ・・・?」
剣士アルガス 「誘拐の上、身代金まで要求するお前らが何を偉そうに言うッ!!」
骸旅団騎士 「・・・・・・侯爵誘拐は・・・・・・間違いだ・・・・・・。ウィーグラフ様の計画じゃない・・・・・・。」
剣士アルガス 「!?」
骸旅団剣士 「我々は金目当てで・・・要人誘拐など・・・絶対にしない・・・・・・。」
剣士ラムザ 「じゃあ、誰なんだ?誰がエルムドア侯爵を誘拐したんだ?」
骸旅団剣士 「・・・・・・・・・・・・。」
剣士アルガス 「言え!お前達じゃないとしたら一体何処のどいつなんだッ?」
骸旅団剣士 「・・・ギュスタヴだ。」
剣士アルガス 「ギュスタヴ?誰だ、そいつは?」
剣士ディリータ 「ギュスタヴ・マルゲリフ・・・。”骸旅団”の副団長だ。」
剣士アルガス 「やっぱり、お前達骸旅団の仕業じゃねぇかッ!」」
骸旅団剣士 「ち、違う。我々骸旅団は貴様達を倒すために戦っている!」
「我々は平等な世界を築くために戦っている誇り高き勇者だ・・・。ギュスタヴとは違う!!」
アルガスは捕虜を蹴飛ばす。
剣士アルガス 「何が誇り高き勇者だ?このゲス野郎めッ!!」
剣士ラムザ 「いい加減にしないか、アルガスッ!」
剣士アルガス 「で、そのギュスタヴとやらは何処だ?」
骸旅団剣士 「・・・す、”砂ネズミの穴ぐら”だ・・・。」
剣士アルガス 「砂ネズミ〜ぃ?」
剣士ディリータ 「余所から来たアルガスには分からないと思うが・・・」
「”砂ネズミ”はこのドーターの北に広がるゼクラス砂漠にのみ生息するネズミのことだ。」
剣士アルガス 「!?」
剣士ラムザ 「ドーターとゼクラス砂漠の間に集落なんかあったか?」
剣士ディリータ 「今はないが、以前、砂漠の民の集落だった場所ならある・・・・・・。」
剣士ラムザ 「・・・ギュスタヴと侯爵はそこだな。」
剣士ディリータ 「ああ、恐らくな。」
剣士アルガス 「どういうことだ??」
剣士ラムザ 「”穴ぐら”はネズミの巣ってことさ。」
剣士アルガス 「!?」
ラムザ達は貿易都市ドーターで武器や防具にアイテムを買い揃えると、ゼクラス砂漠を目指した。

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