叱責


イグーロスへ戻ったラムザを待っていたのは、長兄ダイスダーグによる叱責の言葉だった。
ダイスダーグ卿 「・・・一体、どういうことだ?何故、ゼクラス砂漠へ行ったのだ?」
剣士ラムザ 「・・・・・・・・・・・・。」
ダイスダーグ卿 「黙っていたのでは分からん。説明しろと言っている・・・。」
剣士ディリータ 「自分がラムザを無理矢理、誘いました。」
ダイスダーグ卿 「そうなのか、ラムザ?ディリータのせいなのか?」
剣士ラムザ 「・・・いえ、自分の意志です。ディリータのせいじゃありません。」
剣士ディリータ 「いいえ、ラムザはウソを言っています。悪いのは・・・。」
剣士ラムザ 「僕をかばわなくていい。命令違反をしたのは僕の意志だ!」
ダイスダーグ卿 「・・・皆が勝って気ままに振る舞うとしたら何のために”法”が存在するのだ?」
「我々ベオルブ家の人間は”法”を順守する尊さを騎士の規範として示さねばならぬ。」
「ベオルブの名を汚すつもりかッ?」
剣士ラムザ 「・・・・・・すみません、兄さん。」
ラムザがうつむく。
男の声 「もう、良いではないか、ダイスダーグ。」
声の主が部屋へと入って来る。
ラムザ、ディリータ、アルガスはその姿を見て跪く。
身なりの良い男 「侯爵を救出した功績は大きい。そう目くじらを立てなくとも良い。」
「功を焦る若い戦士達の気持ちも分かるというもの。かつては、我らもそうであった。」
ダイスダーグ卿 「・・・甘やかされては他の者達に対してけじめがつきませぬぞ、ラーグ閣下。」
ラーグ公 「そなたがダイスダーグの弟か。・・・楽にして良いぞ。」
ラムザが立ち上がる。
ラーグ公 「なるほど、亡きバルバネス将軍にそっくりだな・・・。良い、面構えだ。」
「そのありあまる若さと力は城の警護だけで補えるものでもあるまい・・・・・・。」
ダイスダーグがうつむく。
ダイスダーグ卿 「・・・骸旅団殲滅作戦も大詰めだ。お前達の参加を許そう。」
「いくつかの盗賊共のアジトを一斉に襲撃する。そのひとつをお前達に任そう。」
剣士ラムザ 「・・・はい。」
ディリータとアルガスが立ち上がり頷くと、3人共部屋を出て行く。
ラーグ公は窓際へ歩いて行くと、窓から外を眺める。
ダイスダーグ卿 「申し訳ありませぬ。」
ラーグ公 「気にするな、ダイスダーグ。」
「所詮、ギュスタヴもその程度の男だったということだ。」
「侯爵誘拐がガリオンヌ領で行われた時点で、計画変更は避けようがなかったのだ・・・。」
「それに侯爵の命を助けたのは事実。こちらの要求に対して侯爵側も妥協しないわけにはいくまい。」
「結果として、貴公の弟君の行動は我々を有利な立場にしてくれた・・・。」
ダイスダーグ卿 「国王の命もあと僅か・・・。事を急がねば・・・。」
ラーグ公 「ああ、期待しているとも。我が友よ・・・。」

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