ライオネルへ


騎士ディリータ 「オヴェリア王女をオレに預けるんだ。その方がお姫様のためだぞ。」
ディリータの言葉を聞いて、アグリアスは王女を背後に庇った。
剣士ラムザ 「ディリータ、君は一体何を企んでいるんだ・・・?」
騎士ディリータ 「企む?とんでもない。オレは真実を言っているだけさ。そうだろ?北天騎士団を敵に回したお前達が、お姫様をどこへ連れて行くって言うんだ?すぐにお前達を捕らえるために、北天騎士団の精鋭達がやって来るだろう。一体どこへ逃げるつもりなんだ?」
剣士ラムザ 「そ、それは・・・。」
騎士ディリータ 「よく考えてみろ。ラーグ公の計画ということは、王妃も知っているってことだ。つまり、王家は味方じゃない。なら、ゴルターナ公か?いや、それも無理だ。自分の疑いを晴らすためにお前を処刑するぜ。」
騎士アグリアス 「お前ならどうすると言うんだ?」
騎士ディリータ 「お前達にはできないことをするだけさ。」
剣士ラムザ 「どういう意味なんだ?」
騎士ディリータ 「さあな・・・。」
意味有り気にそう言うと、ディリータは背中を向けた。
騎士ディリータ 「お前にお姫様をもう少し預けておくことにしよう。」
そういい残すと、ディリータは向こう岸に向かって橋を渡り出した。
剣士ラムザ 「ディリータ・・・また会うことができて嬉しいよ。」
ラムザが遠慮がちに声を掛けると、ディリータは歩みを止めた。
騎士ディリータ 「ティータが助けてくれた・・・。」
剣士ラムザ 「え?」
騎士ディリータ 「あの時、ティータがオレを守ってくれたんだ・・・。」
剣士ラムザ 「・・・・・・・・・。」
ディリータ再び歩き出す。
王女オヴェリア 「感謝致します、ディリータさん。」
ディリータは最後にもう一度立ち止まった。
騎士ディリータ 「また会おう、ラムザ。」
そう言い残してディリータは去って行った。
アグリアスはラムザに向かって頭を下げた。
騎士アグリアス 「ラムザ、加勢してくれたことに感謝する。しかし、良いのか?北天騎士団を敵に回したのだぞ。」
ラムザはアグリアスの方へ振り返ると言った。
剣士ラムザ 「気にしないで下さい。自分で選んだ道です。それより、これからどうします?ディリータの言った通り、僕らを助けてくれる人はいない・・・。」
騎士アグリアス 「ドラクロワ枢機卿に助けを求めてみようと思う・・・。ライオネルはグレバドス教会の所轄領だ。教会なら何とかしてくれるのではないだろうか・・・。」
剣士ラムザ 「確かにライオネルなら、北天騎士団もうかつには手を出せない。行きましょう。僕らにはそこへ行くしかない。」

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