- 約束 -

校庭にはマーシュ、リッツ、ミュートの3人だけが残っていた。

ミュート 「あ、あの・・・・・・。」
ミュートが遠慮がちに声を掛けると、マーシュとリッツはミュートの方へと顔を向けた。
ミュート 「・・・あ、・・・ありがとう。」
リッツ 「あたしは弱い者いじめがキライなの。バッカみたい!」
リッツが怒りをあらわにした。
ミュート 「マーシュはこれからどうするの?」
マーシュ 「え?何で?」
ミュート 「本を、・・・古本を買おうと思って。一緒にどうかなって・・・。」
マーシュ 「ごめん。今日はダメだ。弟が退院してきてるから。」
リッツ 「退院?弟さん、病気なの?」
マーシュ 「体が弱いんだ。・・・生まれつきね。走ったりできなくて、病院を行ったり来たりしてる。」
リッツ 「ふぅん・・・大変ね。」
マーシュ 「本って、どんな本?」
ミュート 「う〜ん、よく分かんない。でも、何か魔法とか怪物とかそんなことが書かれてるみたい。」
マーシュ 「ねぇ、その本持って家へおいでよ。ドネッド・・・弟も喜ぶと思うんだ。」
ミュート 「・・・いいの?」
マーシュ 「リッツも良かったらどう?」
リッツ 「え・・・えっと、そうね。今日は何もないし・・・行ってもいいかな。」
マーシュ 「じゃあ、決まり。家の場所は、分かる?」
リッツ 「壁の黄色い、あの家でしょう?」
ミュート 「ボク、本を買ったらすぐに行くよ。」
マーシュ 「うん、待ってる。」
こうして3人は約束を交わした。

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