- 約束 -
校庭にはマーシュ、リッツ、ミュートの3人だけが残っていた。 |
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「あ、あの・・・・・・。」 | |
ミュートが遠慮がちに声を掛けると、マーシュとリッツはミュートの方へと顔を向けた。 | |
「・・・あ、・・・ありがとう。」 | |
「あたしは弱い者いじめがキライなの。バッカみたい!」 | |
リッツが怒りをあらわにした。 | |
「マーシュはこれからどうするの?」 | |
「え?何で?」 | |
「本を、・・・古本を買おうと思って。一緒にどうかなって・・・。」 | |
「ごめん。今日はダメだ。弟が退院してきてるから。」 | |
「退院?弟さん、病気なの?」 | |
「体が弱いんだ。・・・生まれつきね。走ったりできなくて、病院を行ったり来たりしてる。」 | |
「ふぅん・・・大変ね。」 | |
「本って、どんな本?」 | |
「う〜ん、よく分かんない。でも、何か魔法とか怪物とかそんなことが書かれてるみたい。」 | |
「ねぇ、その本持って家へおいでよ。ドネッド・・・弟も喜ぶと思うんだ。」 | |
「・・・いいの?」 | |
「リッツも良かったらどう?」 | |
「え・・・えっと、そうね。今日は何もないし・・・行ってもいいかな。」 | |
「じゃあ、決まり。家の場所は、分かる?」 | |
「壁の黄色い、あの家でしょう?」 | |
「ボク、本を買ったらすぐに行くよ。」 | |
「うん、待ってる。」 | |
こうして3人は約束を交わした。 |