- 父親 -

3人で町を歩いていると、1人の酔っ払いの前を通りかかった。

酔っ払いの男 「うぃ〜・・・っク。」
リッツ 「やだ、昼間から酔っ払い?」
するとその男はミュートを見て、親しそうに声を掛けてきた。
酔っ払いの男 「お、ミュートじゃないかぁ〜?父さんだぁ。シド・ランデル様だぞ〜〜。」
ミュートは仕方なさそうに、父親の元へと近付いて行った。
シド 「ミュートぉ、ど〜〜した、こんな時間に〜。学校は〜。おーおー、ミュートぉ。お前も父さんと、飲むかぁ?」
ミュート 「・・・ボクはいいよ。それよりパパ、ちゃんと歩いてないよ。家まで1人で帰れる?」
シド 「酒はうまいぞ〜。やなこと、み〜んな忘れっちまうぞぉ〜〜。」
ミュート 「なら、明日はちゃんとしてくれるんだね?」
シド 「おうよ。おうともさ。だから、あと少し、もう一杯〜。」
そう言いながらシドは、よたよたとどこかへ歩いて行ってしまった。
ミュート 「・・・ママが死んじゃってからずっとああなんだ。・・・かっこ悪いよね。」
マーシュ 「ミュートの家ってさ、パパとママ、仲が良かったんだね。」
そう言ってマーシュは一度家へ帰りかけたが、ミュートとリッツの方を振り返った。
マーシュ 「じゃあ、2人共待ってるから。」
そう言い残して、マーシュは帰って行った。
リッツ 「ミュートって、マーシュのことどれくらい知ってるの?」
ミュート 「え?」
リッツ 「ミュートのパパにはちょっとビックリしたけど、マーシュのところ、パパがいないって聞いたから。」
ミュート 「・・・・・・。」
ミュートはリッツの言葉を聞いて黙り込んでしまった。
やがて2人はそれぞれの帰途へと向かった。

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