旅立ち
真夜中------。 屋敷内はすっかり静まり返っている。 しかし、全ての者が眠りの床についていたわけではなかった。 シバの部屋にそっと忍び入った影が2つ。 しかしそんな侵入者に気付くことなく、シバはおだやかな寝息をたてている。 「しばらくお前の顔も見られなくなるな、シバ。」 「起こしましょうか?」 「いや、いい。眠らせておけ。再び会えぬ別れでもなし、・・・・・・グレミオ、シバのこと、頼んだぞ。」 「はい。テオ様。」 そして館の主、テオは静かに旅立って行ったのであった。 |