「これは？」

「これは本陣です。戦いの時の本拠地となる仮設陣地です。」

「我々も人数が増えてきたし、今後は戦いに備えて色々な準備が必要ですからな。」

「なるほど・・・・・・これなら敵の心配をせずに武器を取り替えたりできますね。」

「もっとも突然敵に遭遇した場合、本陣を用意するだけの余裕がないこともあり得ます。」

「それゆえ、戦闘直前でなく早目、早目に準備を整えるよう心がけたいものですな。」

「では、早速みんなの準備を整えましょう。」

準備を始める太公望。

準備を進めながら、太公望は自らの決心を皆に語った。

「僕は、みんなのために戦い続けるつもりだ。これまでも、これからも・・・・・・。」

「準備は万全だ。いつでも出陣できる。」

黄飛虎は手馴れたようにテキパキと準備を進めている。

黄天祥が言った。

「僕、もっともっと腕を磨いて早く一人前になりたいです。」

「元始天尊様の洞府で修行をさせてもらえるそうだ。」

太公望が言った。

「それはいい。天祥も弓の腕を鍛えてはどうだ？」

「はい。それは願ってもないことです。」

「よし、決まった。洞府へ行ってみよう。」

洞府へ辿り付いた太公望一行は白鶴童子に出迎えられた。

「いらっしゃい、ししょー。準備のことならあたしに任せて！」

「ああ、頼むよ白鶴。」

白鶴童子は喜び勇んであれこれと世話を焼いてくれた。

「また来てね、ししょー。」

「さてと、今度は元始天尊様の元へと向かおう。」

太公望達は元始天尊の元へと向かった。

「ほう、太公望か・・・・・・。修行は積んでおるか？」

「はい、師匠！ご無沙汰しておりました。」

「腕試しに来たのじゃな？」

「はい。」

「そちに相応しい相手がおる。存分に戦うが良い。」

「はい。宜しくお願い致します。」

「あれ？白鶴？」

「うん。ししょーの相手はあたしだって。手加減しないから、覚悟してね、ししょー。」

白鶴は普段はチャラチャラとした感じに見えるが、いざ戦いとなると強かった。

「三宝玉如意！」

3対1の戦いだったのだが、三宝玉如意で大ダメージを受けた太公望一行は善戦空しく敗れてしまうこととなった。

「どう？ししょー。あたしのこと見直した？ちゃんと修行したんだから！」

「うん、これほど強いとは・・・。正直言って驚いたよ。」

「うーむ、まだまだ修行が足りんようじゃな。」

「今回はここまでじゃ。日々の精進を忘れぬように。」

「はい。」

結局再度挑んだ時には、蛇人や牛鬼といった、戦い慣れた相手との戦闘となった。

「見事じゃ・・・・・・。そちもだいぶ成長したようじゃの。」

「それではまた来るが良い。」

「はい、ありがとうございました。」

「次はいよいよ黄河だ、太公望殿。」

「そうですね。一刻も早く渡ってしまいましょう。」

太公望一行は黄河へと向かった。