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アルスはたった1人で、キーファと自分だけが知っている場所へとやって来ていた。

奥へと進んで行くと、巨大な扉が姿を現した。

思い大きな石で造られた扉である。

閉ざされてから長い年月が経っているのだろう。

とても人の力では開きそうにない。

目的の人物の近くには像が立っていた。

何やら不思議な像である。

「えーと、これをここにこうして・・・・・・。」

キーファは夢中になって何かをしていた。

アルスが近付いて行くと、彼に気付いたキーファが笑顔を向けた。

「おっ、アルス。やっと来たか!お前1人でここへ来れるかちょっと心配してたとこだ。ここで待ってるなんて、お前の母さんにゃ言えないしな。おっとそんなことよりこれこれ!これを見てくれよ!」

キーファが手渡したのは、王家の古文書であった。

「どうした?早く見てみろって!」

アルスはキーファに急かされるままに、古文書を開いてみた。

そこにはたたずむ1人の賢者の絵が記されており、賢者の持つ杖の先には輝く太陽の光が描かれていた。

更にページをめくると何やら石版のような物が描かれていたが、後は古代文字のようでとても読めそうにない。

「どうだアルス!そこに描かれた賢者の絵はここにある像にそっくりだろ!?オレの勘が正しければ・・・・・・ずばり!この像に何かをすれば何かが起こる!ってことだぜ!その絵を見る限りキーワードは太陽だ。そこでこいつの出番って訳さ。」

そう言ってキーファは指輪を差し出した。

「じゃーん!これこそ我が王家に伝わる宝珠、太陽石の指輪!こいつをこの像のどこかにはめれば、きっと何かが起こるはず!」

キーファが像の前へと歩き出す。

「おっ、この杖の先が怪しいな。」

そう言ったものの、更に怪しい場所がないか確認するために像の周りを歩き回り、あちこちをチェックする。

「うん、他にはそれっぽいのはないな。よし!それじゃここに、こいつを乗っけるぜ。いいな、アルス!?」

「で、でもキーファ。本当に何か起こったらどうするの?」

「何だよ、怖気付いたのか?この遺跡の謎を2人で解き明かすって約束しただろ?」

「う、うん。」

「よし!それじゃ今度こそ乗っけるぜ。」

「うん。」

アルスは今度こそ決心を固めて、迷うことなくそう答えた。

「何が禁断の地だ・・・。何が王家の墓だ・・・・・・。そんな言葉で終わらせて、それ以上研究しなかった学者達は怠慢だよな。オレはずっと思っていたんだ。この遺跡はそんな物じゃなくて、別の何かがあるって・・・。それもオレの運命を変えてしまうような何かが・・・。よし、行くぞ!よっ・・・・・・と・・・・・・。」

キーファが賢者の像の杖の先に指輪をはめると、像がキラリと光を放った。

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