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「うわああっ!敵モビルスーツの襲撃だ!!」

ティターンズ兵が叫んだ。

グリーンノア2では、突如始まった戦闘で兵達が混乱していた。

「落ち着け!非戦闘員や民間人を早く非難させろ!!」

「し、しかし、ブライト中佐!バスク大佐からの命令が出ないと・・・。」

「くっ・・・、ティターンズはどういうつもりだ!?コロニー内でモビルスーツ戦を展開するとは!」

「しかし、先に仕掛けて来たのはエゥーゴです!」

ブライトの言葉に反論してきたのはエマ中尉であった。

「エマ中尉と言ったな・・・。君達はスペースノイド全てを敵に回すつもりなのか?」

「そ、そんなことは・・・。」

「とにかく、この事態に対応しろ。私は民間人を非難させる。中尉はバスク大佐に連絡を取れ!」

「命令なしで勝手な行動は出来ません!」

「対応しろと言っている!コロニー内での戦闘を止めさせるんだ!」

「は、はい!」

「おい、そこの少年!民間人が何故こんな所にいるんだ?!」

ブライトは場違いな所にいる少年に向かって声を掛けた。

「あの子は・・・さっきの・・・?」

エマにとっては会うのは2度目になる。

先程、ジェリドと一悶着起こした少年であった。

「・・・ブ、ブライトキャプテンにエマ中尉・・・?ぼ、僕はティターンズに捕まって・・・。」

「いいから、早く逃げろ!」

カミーユは突如、何かに気付いたように視線を別の方向に向けた。

「・・・・・・!あれは・・・ガンダム!?・・・・・・・・・。」

ブライトの言葉も耳に入らないようである。

「貴様、何をするつもりだ!?」

ブライトの制止の声を振り切って、カミーユはガンダムに向かって走り出すと、素早く機体に乗り込んだ。

「火が入っている・・・。間違いない、こいつが親父の開発しているガンダムMK-IIだ。親父のコンピューターからデータを盗み出したのが役に立つなんて・・・。ようし・・・。」

「すぐに降りろ!そんな簡単に動かせるものじゃない!!」

ブライトが叫んだ。

「ケガをします!ブライトキャプテンとエマ中尉は下がっていて下さい!」

「あいつ・・・操縦が出来るのか!?」

「ガンダムMK-IIと知っている・・・?どういう子・・・?」

ブライトとエマは驚きに目を瞠った。

「このコロニーでこれ以上ティターンズの好き勝手にやらせるものか!!」

「!ガンダムが動くぞ。」

クワトロがリョウトに向かって言った。

「赤い色のモビルスーツ!?まるで赤い彗星じゃないか。そんなのに狙われちゃ・・・!」

後先考えずにガンダムMK-IIに乗り込んだカミーユも、クワトロの赤いリック・ディアスには恐れを感じていた。

「あの少年・・・、アムロ=レイの再来とでも言うのか?」

ブライトの脳裏には、かつてアムロがガンダムに初めて搭乗した時の様子が甦っていた。

「そこの赤いモビルスーツ!!俺は敵じゃない!!」

カミーユは夢中で叫んだ。

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