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(何とか、生きて帰ってこられた・・・。)

リョウトはようやく一息ついた。

(これから、どうしようか・・・。)

とりあえずグリーフィングルームへと向かうと、アポリーが声を掛けてきた。

「ご苦労さん、リョウト。大活躍だったらしいな。」

「ど、どうも・・・。」

「アポリーさん、この人は・・・?」

尋ねたのはカミーユだった。

「ヒュッケバインMK-IIのパイロット、リョウト=ヒカワだ。お前さんと同じく、いきなり機体に乗って戦ってみせた奴さ。」

「彼がガンダムMK-IIの・・・。」

リョウトがカミーユを見て言うと、カミーユが挨拶してきた。

「カミーユ=ビダンです。よろしく。」

「・・・こちらこそ。」

(この感じ・・・何だ・・・?何故か、懐かしい感じがする・・・。)

カミーユはリョウトに接して何か分からないが妙な懐かしさを感じていた。

「クワトロ大尉がいたとはいえ、素人がガンダムMK-IIを奪取出来るなんて・・・。これじゃ俺達の出番がなくなってしまうな。」

「全くだ。いっそ、このままエゥーゴに参加してくれると助かるんだが。」

ロベルトの意見にアポリーが賛成する。

しかし2人のやり取りを聞いていたカミーユが硬い表情で言った。

「僕はまだエゥーゴに参加すると決めたわけじゃありません。」

(・・・・・・・・・。)

リョウトは何も言うことができなかった。

その時、何者かが部屋に入って来た。

「クワトロ大尉!」

ロベルトがクワトロの姿を認めて言った。

「カミーユ君、少し聞きたいことがあるのだが。」

クワトロが尋ねた。

「何でしょう?」

「リック・ディアスの画像データに戦艦のドックらしきものが記録されていた。グリーンノア2では、戦艦が建造されているのかね?」

「噂では・・・。でも、詳しいことは知りません。」

「こちらの予想以上に軍事基地化を進めていたようだな。」

「ガンダムMK-IIも量産化を前提とした機体なのでしょうね。」

「ジムじゃなくてガンダムを量産か。贅沢な連中だな、全く。」

ロベルトとアポリーが言葉を続ける。

「ガンダムMK-IIは所詮、MK-IIに過ぎん。それよりも・・・ティターンズはMK-IIを奪った我々を追撃してこない。おかしいとは思わんか?」

「確かに・・・変ですね。」

クワトロの疑問にアポリーが同意した。

「他に何か重要な作戦があるのか・・・それとも・・・。」

クワトロは厳しい顔つきで考え込んでいた。

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