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追手

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リュナンは水兵訓練所へとやって来ていた。
眼帯を付けた体格の良い男がリュナンの前に姿を現した。
「ここは水兵訓練所。海の上を我が物顔でのさばっている海賊共と戦う海の戦士、水軍兵を養成する所だ。」
そう言ってリュナンを上から下まで眺めると、言葉を続けた。
「ほう、君はなかなか才能がありそうだな。よし、海上での戦いのコツを教えてやろう。」
「よし!教えてもらおう。」
「そもそも、海の上での戦いというものはだな・・・・・・。」
男は海上での戦いのコツを懇切丁寧に教授してくれた。
「よし、これで君はもう一人前の海の戦士だ!海の上では、今まで以上に活躍できることだろう!頑張って、海上に巣食う悪党共を懲らしめてやってくれっ!」
「ありがとうございました。」
こうしてリュナンは海の戦士のスキルを取得したのである。

その頃アーキスは、民家を訪れていた。
「港に来たでっかい船、あれ、グラナダの私掠船だろ?」
男が不審気な顔でアーキスを見つめながら言った。
「いや、私掠船ではなくて・・・。あれは俺達の船だ。」
「・・・・・・えっ、あんた達、あれに乗って来たってのか!?一体何者なんだ、あんた達・・・・・・。本土からウエルトくんだりまで何のために来たか知らないが、揉め事だけは起こすなよ。ただでさえ今、この国は、ゴタゴタの真っ最中なんだからな・・・・・・。」
「分かった。ところでそれは・・・。」
アーキスは男が持っている物に目をやりながら言った。
「ん?何だ?ああ、このクスリか?港で拾ったんだけど、何の役に立つのか分からねぇ。いいぜ、欲しいなら持って行きな。」
「それは助かるな、ありがとう。」
民家を出てからクスリをじっくりと見てみると、それはWLVプラスだった。
「これはいい土産を手に入れたな。」
アーキスはクスリを手に、武器屋の方へと馬を走らせた。

クライスが民家を訪れると、老婆が出迎えた。
「へえー、あんた達がグラナダの勇者なのかい。帝国相手に1年も戦ったって言うからどんなにすごい男かと思ったけど、何だ、可愛いボウヤじゃないか。」
老婆から見たら、クライスも坊やなのだろう。
「まあいいさ。せっかく来てくれたんだ。この薬草を持って行きな。」
そう言って老婆は、クライスの手に薬草を手渡した。
「どうもありがとうございます。助かります。」
礼を述べると、クライスは老婆の元を立ち去った。

ソラを目指しているサーシャとケイトの2人の近くに、突如大勢の男達が姿を現した。
髭を生やした太めの男が、赤い鎧を身に付けた男に命令を下す。
「ようやく追いついたようだな。ルースよ、後はお前が指揮を取れ。王女を捕らえて、王宮まで連れ戻すのだ。」
「護衛の騎士はどうします?」
「フンッ、たかが女一人、何ほどのことがあろう。構わぬ、殺せ!」
「はっ、承知致しました。」
2人の身に、危険が迫っていた。

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